うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

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昔、男ありけり。 ~『男色比翼鳥』巻1の2 その11~

『男色比翼鳥』巻1の2続きだよ♪

奥村幸手男色賛美続きだよ!

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※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しております。
男色比翼鳥 6巻. [1] - 国立国会図書館デジタルコレクション
※画像はクリックすると拡大します。

【原文】

見限りて、終(つい)に此の世を去りぬ。
彼の業平(なりひら)の血気盛んの折から、伊勢が弟(をとゝ)大門中将(だいもんのちうじやう)と五年(いつとせ)余りの契致に、春ハ盛りし花も見ず、秋ハ月を忘れ、理(わり)無き情にハ雪をも頂き、嵐を袂(たもと)に入れ、氷の橋をも厭(いと)ハず渡り、穴門(あなもん)の厳しきにハ相鍵[合鍵](あいかぎ)を拵(こしら)へ、闇(やミ)にハ星の光を恨ミ、行き通ふ足、蚊(か)の血(ち)に染めなし、是にも飽かず、曙(あけぼの)を恨み、螢(ほたる)の影さえ悲しみけるも、前髪可愛(かハ)ゆき故ならずや。
豆男[忠実男](まめおとこ)も本ハ若道の好き人成るを、當世の人、陰陽の神なとゞ[などゝ]云ふ事、さぞ草葉(くさば)の陰にて口惜しかるべし。
其の外(ほか)、牛若(うしわか)の情け有る目元にハ弁慶が武勇も出ず。
吉次が馬に付けたる金(こがね)も、君故ならば散財問ハぬ心[気](き)と頼もしき言葉の情けも、皆是美形(びけい)のな

【さっくり現代語訳】

[一方、物部守屋(もののべのもりや)ヒゲ面は、公家も武士も]相手にせず、とうとう守屋は滅ぼされてしまいました。

あの在原業平(ありわらのなりひら)も、若い頃は、伊勢[女流歌人三十六歌仙門中将(だいもんのちゅうじょう)と五年以上もの間、男色の関係にありました。

に咲き誇るも見ず、月見をするのも忘れるほど、深く愛し合っていました。
業平大門に会うために、が頭に積もろうが、が袂に吹き込もうが、が凍っていようが構わず渡り、戸締りが厳しくても合鍵を作って開けました。

星の光が照らすのもうっとおしく、道中にに刺されまくって血まみれになっても懲りず、明けるのを恨み、蛍の光を見てさえ悲しく思うのも、前髪を持つ若衆が可愛いからにほかなりません。[二人が人目を忍んで会えるのは夜の間だけなので、夜明けを連想させる少しの光さえ嫌っているということ]

好色男業平も元々は男色好きだったのに、今の人には「業平は男女和合の神」などと言われるのは、さぞかしあの世で残念がっていることでしょう。[このあたりも引き続き『男色大鑑』巻1の1を利用]

その他、牛若丸源義経の情け深い目元には弁慶もメロメロです。

金売吉次(かねうりきちじ)[黄金商人。牛若丸を奥州まで案内した]が「商売のために馬にくくり付けて運んでいる黄金も、牛若殿のためならば、いくらでも使いましょう」と頼もしい言葉をかけるのも、~~~

【解説】

「穴門」なんて言葉、またお尻の穴の事かと思いましたが、違いました(笑)
でも、絶対、狙ってますよね(笑)

在原業平男色については、この時代の文献にはちょこちょこ出てきます。

ちなみに「蛍」野郎[色を売る役者]のたとえによく使われます。
何故かって?それはどちらもお尻で仕事をするから!(笑)

にしても、奥村幸手の話が長い!(笑)

挿絵クイズの答え

巻1の1の挿絵↓↓↓↓↓をご覧になればわかると思いますが、
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[「おとハのぜう」「ミどりの介」と書いてあります]
髪形着物の柄区別がつきますね♪

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よって答えは、向かって左が唐崎音羽之丞右が松枝緑之助です♪

挿絵クイズ2

さて、ここに描かれている人々女性男性何人ずつf:id:KihiminHamame:20181010004735j:plain

三目黄門(みめこうもん)

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