うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

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嫉妬の鬼 ~『変化物春遊』その7~

今回は、久々に『変化物春遊(ばけものはるあそび)』から一話取り上げてみますヾ(๑╹◡╹)ノ"

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※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しております。
変化物春遊 : 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
※画像はクリックすると拡大します。

【原文】【さっくり現代語訳】

 さる大商人《おほあきんど》の家に、鎌倉の在《ざい》より置きし姥《うば》有りけるが、
 とある江戸の大商人の家に、鎌倉から出稼ぎに来ている女性がいました。

 月毎《つきごと》に四五度《しごたび》づゝ鎌倉の夫の方より便りしけるが、如何《いかゞ》しけるか、一向便りも無く、
 毎月、四回も五回も鎌倉にいるから手紙が来ていたのですが、ある時からどういうわけか、パッタリ来なくなってしまいました。

 誰に聞かふ人もあらざれバ、かの姥は案じ、
「何として便りの無きや」
 と思ひの余り煩《ワづら》いと為《な》り至る折から、
 どうしたのか聞こうにも聞けるような人がいなかったので、女性は心配して、
「どうして手紙が来ないのでしょう」
 と思うあまりに病気のようになってしまいました。

 鎌倉より懇《ねんご》ろの人江戸へ来たりとて、姥が所へ訪ね寄りけるが、姥早速に夫の身の上を聞ゝける。
 そんな時、よく知っている男性鎌倉から江戸に用事で来て、この女性の所を訪ねて寄って行きました。
 女性は早速、がどうしているのか聞きました。

 かの男笑いながら、
「その様《やう》な事案じづと、此方《こなた》も江戸にて男を持ち給へ。
 其様《そさま》の亭主も良い女房を持たれた」
 と言へバ、姥ハ顔変わりてそのまゝ二階へ上がりける。
 その男性は笑いながら、
「そんな心配はせずに、あなたも江戸を作りなされ。
 あなたの亭主はとっくに良い女房を新しく持たれていますぞ」
 と言うではありませんか。
 それを聞いた女性顔色は変わり、そのまま二階に上がっていってしまいました。

 男も興醒《きやうさ》めて帰りしが、
「家《うち》の飯炊き姥殿バ、どふかしたかや。

 湯漬けでも食わせん」
 と二階へ上がり見れバ、
 男性ドン引きして帰ってしまいました。
 その様子を見ていた家の者が、
「あらまあ、ウチ飯炊きババ様はどうなされたのじゃ。
 湯漬け[茶漬けではない]でも食べさせてあげたら、機嫌も直るでしょう」
 と二階へ上がって女性の姿を見てみると、

 姥ハ口耳まで裂けて口の辺り血に染《そ)ミて角《つの》生へける。
 その有様を見て目を回しける。
 女性の辺りまで裂け[元祖口裂け女!]の周りはだらけで、ツノまで生えていました。
 その姿を見て家の者は目を回してしまいました。

 姥ハそのまゝ魂鎌倉へ行《ゆ》きて夫を食ひ殺し、二度目の妻をも食ひ殺し、思ひを晴らせしとかや。
 女性はそのまま自分の魂鎌倉まで飛ばして行き、を食い殺し、新しい妻も食い殺して、恨みを晴らしたということです。

【解説】

右側の絵のようになった女性の姿です。
夫婦和合の象徴とでも言えるを踏んずけていますね。
本文中にあるツノは描かれていないようです。
左側の絵では、家の者から引っくり返って落ちていますが、大丈夫でしょうか?
女性のから出てるのはですかね?


女性の嫉妬は恐ろしいことを言いたかったでしょうが、の稼ぎが悪いから出稼ぎに出たのに、こうもあっさり裏切られたんじゃあ、食い殺されても同情の余地はありませんがねヾ(๑╹◡╹)ノ"
それにしても、新しい妻を食い殺した後、女性はどうなってしまったんでしょうね?

いやあ、実はこのブログネタ切れで行き詰ってしまって、何も言わずにこのままフェードアウトしようと思ってたんですが、今日このブログ二周年だということを思い出しましてね。
しかも、仲良くさせていただいている(と私が勝手に思っている)、KONMA08 (id:konma08)さん、mashley (id:mashley_slt) さん、永富 月来子 (id:flemy)さんも同じ2017年の9月はてなブログを始めたことが判明しまして、何か不思議な縁だなあと思いまして、とりあえずフェードアウトはやめて更新してみましたヾ(๑╹◡╹)ノ"

三つ目コーナー

 永富 月来子 (id:flemy)さんは、このブログと全く同じ2017年9月11日はてなブログを始めてるんだよ!

 これは運命としか思えないから、もう、ふきちゃん結婚するしかないと思うんだ!

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 思わないんだ!

三つ目には土下座して謝罪させます

  

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