うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

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化け物大合戦の巻 ~『妖相生の盃[化物三ツ目大ほうい]』その10~

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化物三ツ目大ほうい 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
妖相生の盃 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
富川吟雪画『妖相生盃(ばけものあいおいのさかずき)』安永3[1774]年刊
※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。
国会図書館には、同じ内容の本が二冊保存されているので、どちらか状態が良いページを選んで使用することにします。
※リンク先の 書誌情報→簡易レコード表示にする で、あらすじなどの解題が読めますが、ネタバレになるので、読むのは最後になさった方がよいでしょう。
※画像は拡大できます。

【原文】【現代語訳】

 一眼早足之介、見越入道に頼まれ、様/\下知《げち》して回る。
 一眼早足之介は、見越入道に頼まれて、色々な戦《いくさ》陣頭指揮を執《と》りました。

「蛇の目二代の張る人[?]、値踏みなし[?]渋衛門[蛇の目傘は油紙に柿渋などを塗って作られた][「ケチ」の意味の「渋い」と掛かるか]なるぞ。
 我と思わん者は掛かれ掛かれ」
唐傘「我こそは、蛇の目傘二代目傘張り職人値引きはしない渋衛門であるぞ!
 自信があるはどんどん掛かってこいや![慣用句「嵩(かさ)に 懸(か)かる」と掛けたか]

「手水盥《てうづだらい》[手を洗う水を入れるタライ]が手並ミを見セん」[「水盥」「並み」と「」を重ねている]
タライ「この手水盥《ちょうずだらい》が、手並み[武術の腕前]を見せてやるわ!」

伊豆の国静岡県の住人、河津《かわづ[伊豆にある地名]が八領《はつりょう》[?][源氏に伝わる八種の鎧「源氏八領」と掛けたか。伊豆は源頼朝が流された地]「河津《かわつ》「が八《かはつ》」「蛙《かわづ》」と掛かっている]、雨夜《あまよ》の池衛門蓮沼《いけへもんはすぬま》[カエルは蓮の葉の上に載っている姿が定番]
 釜《がま》[釜と蝦蟇(がま)を掛けた]の鳴りを取りて見せん」
カエル「我こそは、伊豆の国の住人、河津八領《かわづはちりょう》を受け継いだ、雨夜《あまよ》の池衛門蓮沼《いけえもんはすぬま》であるぞ!
 もうが鳴らなくなるまでコテンパンに、このガマ[カエルのこと]がとっちめてやるわ!」

「我こそは天馬《てんま》[?]の作[?]、古釜鳴衛門《ふるかまなりへもん》[?]なるぞ。
 古道具屋に有る事六七年、前は鍔《つば》[釜の周りの竈(かまど)に引っかけるための出っ張り]に手を折らし[?][刀の鍔が鳴る「鍔鳴り」と掛けたか]、良く[?]働いたものだ」
「我こそは、天馬の作、古釜鳴衛門(ふるかまなりえもん)であるぞ!
 古道具屋に六・七年、売れずに置かれっぱなしであるが、前はカマドツバを乗せてよく働いたものだ」

「こいつ[?]、蛙《かいる》[?]の面へ水だ[平気なことを表す「蛙の面(つら)に水」という慣用句から]
手桶「ありゃあ、こいつはカエルだから、いくらを掛けても全然平気ではないか!」

備前の国岡山県、擂鉢(すりばち)峠備前焼の擂鉢は丈夫で有名]より味方に参つた、楊枝左衛門連木《やうじざえもんれんぎ》[?][「連木」は「すりこぎ」のこと]なるハ」
すり鉢「我こそは、備前の国擂鉢峠《すりばちとうげ》から、味方をするためにやってきた、楊枝左衛門連木《ようじざえもんれんぎ》であるぞ!」

【解説】

 おそらく見越入道軍飯櫃古蔵軍戦いですね。

 この場面、よくわかない箇所がいっぱいで、解釈がヨレヨレですが、どうかご勘弁を。
 間違いが分かったら、随時しれっと訂正しますのでヾ(๑╹◡╹)ノ"

 日本の合戦名乗りを上げて戦います。

 化け物が持っている武器は、タライ竹筒唐傘傘の柄カエル箒(ほうき)すり鉢すりこぎ炭十能(すみじゅうのう)手桶柄杓(ひしゃく)ですかね。
すりこぎが一番殺傷能力が高そうですね。

 恋愛ものかと思ったら、いつのまにか合戦ものになってますねヾ(๑╹◡╹)ノ"

三つ目コーナー

 で、見越入道質問ワシの手の中にいるスズメは、生きているか死んでいるか、どちらですかな?」答えは?

 答えは、

 私「生きている」と答えたら、そのまま手を握って殺して見せ、「死んでいる」と答えたら、そのまま手を開いて生きた姿を見せるのでしょう。

 だよ。

 つまり、天竺浪人は、どちらに答えても間違いになるという謀略をしかと見抜いたわけだ。

この作品元ネタ近松門左衛門「信州川中島合戦」では、武田信玄山本勘助の母問答として書かれています。

 で、この問答の後、スズメはどうしたの?
 やっぱり食べたんだよね、じゅるヾ(๑╹◡╹)ノ"

野生のスズメを勝手に取って食べることは、法律で禁じられております。

 

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