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鬼ヶ島の遊郭は江戸の吉原? ~『桃太郎一代記』その18~

 

 

【要約】

桃太郎鬼ヶ島の遊郭見物に行くことにしました。
遊郭からの帰りのは、鬼ヶ島では見掛けぬ身なりの桃太郎を見て、「酔っているせいか、変なものが見える」と首をかしげます。

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北尾政美(きたおまさよし)画『桃太郎一代記』天明元[一七八一]年刊
桃太郎一代記 5巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。

翻刻【補足表記】【現代語訳】

もゝ太良おにかしま◆のいろさとけんふつ◆にゆくこゝハなにと◆いふところた
桃太良、鬼ヶ島の色里見物に行く。
「こゝハ何と言ふ所だ」
桃太郎鬼ヶ島の遊郭見物に行きました。
桃太郎「ここは何という場所だ?」

こゝハ八丁なハてと◆申ますおにかしまハ◆うしとらにあたり◆ますからほくしう◆ともほつこくとも◆申ます此さとの入口の◆もんをきもんと申ます
おやのるすにいのちの◆セんたくにまいります
「ここは八丁縄手と申します。鬼ヶ島は丑寅《うしとら》に当たりますから北州《ほくしう》とも北国《ほつこく》とも申します。此の里の入り口の門を鬼門《きもん》と申します」
「親の留守に命の洗濯に参ります」
鬼A「ここは八丁縄手という所です。鬼ヶ島丑寅《うしとら》、つまり北東の方角にありますから、鬼ヶ島の遊郭北州《ほくしゅう》とか北国《ほっこく》とか呼ばれます。この遊郭入り口鬼門《きもん》と言います。
みんな、留守の間に、この遊郭心の洗濯にやってきます」

めつらしいおきやく◆しや
「珍しい御客じや」
鬼B「珍しいお客だなあ」

むかふからくるハ◆此しまにミなれぬ◆ふうぞくなおとこた◆つのもミへすがつてん◆のゆかぬきミのわるい◆なまよいかしらぬ◆しやうきて◆なけれハ◆よい
つのめたゝぬ◆ようにどて◆したを◆ゆかうか
「向かふから来るハ此の島に見慣れぬ風俗な男だ。角も見えず合点の行かぬ。気味の悪い。生酔いか知らぬ。正気で無けれバ良い」
「角目立たぬ様《よう》に土手下を行こうか」
鬼C「向こうから来るのは鬼ヶ島では見慣れない格好のだな。ツノも見えないからどうもおかしい。気味が悪いなあ。ワシは酔っぱらってるのかしらん。シラフじゃないから、こんなおかしな者が見えるんだよな、きっと。
とりあえず、が目立たないように土手の下を歩くことにするか」

【解説】

 八丁縄手日本堤という土手別名で、江戸の遊郭の吉原に向かう通路にあたります。
 吉原江戸城の北にあったので、北国北州とも呼ばれていました。
 つまり、吉原鬼ヶ島にたとえているわけです。
 吉原の入り口大門と言いましたが、ここはさすがに鬼門と言い換えています。
 前にも出てきましたが、鬼門丑寅[北東]に当たる方角です。

kihiminhamame.hatenablog.com

「親の留守に命の洗濯に参ります」「鬼の居ぬ間に洗濯」という慣用句を踏まえています。
 鬼の親ですからね(笑)

 鬼Bの持っている提灯の文字「おにこや(鬼子屋)」でしょうか。


 鬼Cのように遊郭を見られるとマズい人は頭巾をかぶっていました。

 どうやら、戦いがあったのは鬼ヶ城の中だけで、一般鬼ヶ島の住人桃太郎の事も、桃太郎が何をしたのかも知らないようで、いたって平和に暮らしているようですね。

三つ目コーナー

北見居ぬ間洗濯しようヾ(๑╹◡╹)ノ"

居る時にも洗濯して、臭いからヾ(๑╹◡╹)ノ

 

 

 

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