うきよのおはなし~江戸文学紹介ブログ~

江戸文学に少しでも興味を持つ方が増えれば良いなと。

そんけいのさんそく その2

さて、今にも化け物に食べられそうになったは覚悟を決めつつも、ふと、化け物の名前化け物の正体が隠されているのではないかと考えます。

 

そして、化け物の名前を分析し、

 

「えんよう坊」は「丸瓢箪(まるびょうたん)」、

 

「こんかのこねん」は「未申(ひつじさる)の方角の川にいるナマズ」、

 

「けんやのばとう」は「戌亥(いぬい)の方角の野原に転がってる馬の頭蓋骨」、

 

「そんけいのさんそく」は「辰巳(たつみ)の方角の渓谷にいる三本足のカエル」、

 

「こんざんのきうぼく」は「丑寅(うしとら)の方角の山に倒れてる朽ちた木」、

 

だと化け物の正体を見破るのです。


なるほど!そういうことか!

 

って、何のこっちゃわかりませんよね(笑)

 

では、ここでしっかりと謎解きをしましょう。

 

実は、化け物の名前を漢字に直すとわかるのです!


「えんよう坊」は「円揺坊」。

「円揺」は丸瓢箪のことを言うそうです。

 

「こんかのこねん」は「坤河の小鯰」(「坤家」「古鯰」説もあり)。
「坤」=「未申」で、南西の方角を指します。

 

「けんやのばとう」は「乾野の馬頭」(「乾谷」説もあり)。
「乾」=「戌亥」で、北西の方角を指します。

 

「そんけいのさんそく」は「巽渓の三足」。
「巽」=「辰巳」で、南東の方角を指します。

 

「こんざんのきうぼく」は「艮山の朽木」。
「艮」=「丑寅」で、北東の方角を指します。


って、難しいですよね(笑)

 

もちろん、こんな詳しい説明は書かれていないので、当時、読んでた人もわかったのでしょうか???

 

なにしろ、今でも解釈が定まってない箇所もありますし(笑)

 

まあ、とにかく、化け物の正体を見抜いたんです!!!(笑)


は、「なあんだ、いかに年月を経て化け物になったといっても、たかが瓢箪やらナマズやらなど恐るるに足りんわい。いつも突いているこの筋金入りの棒でいざ勝負!」と思い定め、

 

化け物たちに向かって、


「お前らの正体は見破ったぞ!ワシの力を見せてやる!」


と大声で叫び、

 

筋金入りの棒で、瓢箪やらナマズやらの化け物たちを、滅多打ちにして、粉々に砕いて大暴れ!

 

その他のスリコギやらゴザの切れ端やらの子分の化け物たちも、一つ残らず打ち砕いてポイしたのでした。


お坊さん、いつも武器を持ち歩いてるのですね(笑)

 

本当は山道を歩く時とかに必要な杖なのですが。

 

念仏を唱えて成仏させるとかじゃなくて、最後は実力行使というのがなんとも(笑)


夜が明けて、二位氏が使いを送ると、もちろん、は無事でした。

 

それを聞いて安心した二位氏に行ってに様子を聞くと、は「かくかくしかじか」と一部始終を語りました。

 

二位氏は「すばらしい!ハラショー!」と褒め称え、復興した開祖となりました。

 

そして、今になっても絶えることなく、仏法の霊地として栄えているのです。


はい、これでこのお話はおしまいです。

 

渋ってた二位氏の手のひら返しっぷり(笑)

 

あともう一回続きます。

 

だって、私のイラストがまだですものね!


【参考文献『江戸怪談集(中)』(岩波書店)】

 

※前は他のところでこのブログをやっていたのですが、私には合わなかったのでこちらに引っ越してきました。しばらくは過去記事の公開となります。

オリジナル公開日:170522

 

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