うきよのおはなし~江戸文学紹介ブログ~

江戸文学に少しでも興味を持つ方が増えれば良いなと。

いたづら その6

さてさて、最後に、少しだけ検証っぽいことをしてみましょう。

 

そもそも、男は本当にお伊勢さんの怒りに触れてこうなってしまったのでしょうか?

 

だって、お伊勢さんの怒りに触れたと言っているのは、あくまでも宿屋の主人です。

 

この疑問を解くヒントは、本編の冒頭部分にあります。

 

ほら、この男が住んでいるのは江戸葺屋町って書いてありましたよね。

 

実は葺屋町は当時、芝居小屋があった、いわば男色の町だったのです(役者は夜には色も売っていました)。

 

通りに住んでいるというのも(原文では「裏住(うらずみ)」)、

 

枕の「に回れば衆道の神」というのを踏まえてはいませんでしょうか。

 

たとえで使われた火吹竹お釜の火をおこすために使うもの。

 

お釜が何の隠語だかは説明しませんよ(笑)

 

男の職業は本文中には書かれていませんが、おそらく芝居に関って収入を得る何らかの職業だったと思われます。

 

つまり、男色の恩恵を受け、男色に精進すべき江戸男が、

 

こともあろうに男女の営みを見て興奮したので、

 

伊勢神宮というより末社衆道の神」の怒りに触れたのではないでしょうか?

 

ちなみに色を売る役者のランクで上位の者を「板付(いたつき)」と言いました。

 

男色のことを思い出せとばかりに、を張り付かせたのかもしれません。

 

ちょっと深読みしすぎですかね?

 

いや、団水はそこまで考えて書くような人だと思います、

 

なにしろ師匠の西鶴もそうでしたから。

 

ちなみに、西鶴のお墓にもちゃんと団水の名が記されています。

 

誓願寺

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では、最後に、はい、毎度おなじみのイラストで締めくくりたいと思います(笑)

 

井原西鶴の遺稿集西鶴置土産』巻五の三の挿絵からです。

 

西鶴の遺稿集は弟子の団水の手によるものなんですよ。

 

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いやあ、何とか火吹竹の絵を載せないといけないと思って(笑)

 

男が火吹竹を握ってる絵を探すのに苦労しました(笑)

 

 

いたづらの巻 おしまい


※『野傾友三味線』は早稲田大学図書館のホームページでご覧になれます。

野傾友三味線. 第1-5巻 / [北条団水] [作]

 

↓↓↓江戸の男色文学を紹介するエッセーなどが掲載されています、オススメ!↓↓↓

男色を描く: 西鶴のBLコミカライズとアジアの〈性〉

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