うきよのおはなし~江戸文学紹介ブログ~

江戸文学に少しでも興味を持つ方が増えれば良いなと。

殿はタデをお食べになりましたよね? ~狂言「鈍根草」その5[終]~

狂言「鈍根草」、今日でラストだよ!

f:id:KihiminHamame:20180511233450j:plainf:id:KihiminHamame:20180511233455j:plain狂言記』巻三の三
国立国会図書館デジタルコレクション - 狂言記 5巻. [3]

翻刻
りこんさうと。つけられて有。神(かみ)の御前と
もいはせず。はらをたてさせをる。下向
をするうせをろ ▲くわしや はあ ▲との くるか/\
▲くわしや 参りまする ▲との やいくわじや。それがしは。
も一度(ど)御前へ。もとらすハなるまい。 ▲くわしや 何と
なされました ▲との いや。物をわすれてきた
▲くわしや はあ。たでを参りましたほとに。何もわす
れは。なされますまいが ▲との たでを。くたれ
ども。わすれた ▲くわしや 身どもハミやうかを。たべま
したれども。物をひらいました ▲との なんぢや
見せい ▲くわしや 是で。御ざりまする ▲との それハお
れがぢや。よこしをろ ▲くわしや ほしう御さりま
するか。なりますまい ▲との やい/\/\やるま
いぞ/\

【現代語表記】
利根草[りこんそう]と付けられてある。
神(かみ)の御前とも言わせず、腹を立てさせ居る。
下向をする、失せ居ろ。」
▲冠者「はあ。」
▲殿「来るか、来るか。」
▲冠者「参りまする。」
▲殿「やい、冠者、某[それがし]はも一度(ど)御前へ戻らずばなるまい。」
▲冠者「何となされました。」
▲殿「いや、物を忘れてきた。」
▲冠者「はあ、蓼[たで]を参りました程に、何も忘れはなされますまいが。」
▲殿「蓼を食たれども忘れた。」
▲冠者「身共は茗荷[みょうが]を食べましたれども、物を拾いました。」
▲殿「何じゃ、見せい。」
▲冠者「これで御座りまする。」
▲殿「それは俺がじゃ。寄越し居[お]ろ。」
▲冠者「欲しゅう御座りまするか。なりますまい。」
▲殿「やい、やい、やい、遣[や]るまいぞ、遣るまいぞ。」

【ざっくり現代語訳】

▲殿「~利根草[りこんそう]と名付けられたのじゃ。
ああもう、神前だというのに、こんなことでワシに腹を立たせよって!
神様に失礼なので、もう帰る! 行くぞ!」

▲冠者「ははあ。」

▲殿「行くぞ! 行くぞ!」

▲冠者「参りまする。」

▲殿「おい、冠者ワシはもう一度鞍馬寺へ戻らねばならぬ。」

▲冠者「どうされました?」

▲殿「いや、その、忘れ物をした。。。」

▲冠者「ははあ、タデをお召し上がりになったので、忘れ物をされるはずがございません。」

▲殿タデを食ったが忘れた。。。」

▲冠者「私はミョウガを食べましたが、物を拾いました。」

▲殿「何じゃ? 見せてみろ。」

▲冠者「これでございます。」

▲殿「それはワシのじゃ! よこせ!」

▲冠者「欲しゅうございますか? 嫌だよ~ん♪」

▲殿「ちょ、待てよ! 逃がすものか、コノヤロー!!!」

おしまい

【解説】

翻刻赤字の部分が前回のくずし字クイズの答えです♪

鞍馬寺だから「神前」じゃなくて「仏前」のはずですが、この時代は神仏習合でごっちゃになってたんでしょうね。

最後の「やるまいぞ、やるまいぞ」狂言の締めの定番のセリフです。

野村万蔵さんが「おもしろくない」とおっしゃってましたが、「鈍根草」「利根草[「利」は「賢いこと」を意味します]の説明が中心で、文章で読むと面白いのですが、動きらしい動きが最後の部分くらいしかなさそうで、狂言の舞台で演じるとなると、確かにおもしろくないでしょうね。
そもそも、セリフしか書いてないので、どういう演技をするのかがわかりませぬ。。。

どちらにしても、ミョウガを食べようがタデを食べようが、バカな人[殿]バカで、賢い人[冠者]賢いということです(笑)
なんだかんだで、ミョウガを食べるとバカになるというのが迷信だってことは、この時代でもみんな知ってたんでしょうね(笑)
ほら、私なんてミョウガ大好きだけどこんなに利発ですもの!

いつものように次回リンクをまとめて、狂言「鈍根草」おしまいにしたいと思います。

待って、ミョウガの食べすぎの北見花芽! 説明忘れがあるよ!

うへ?

殿何を忘れたか説明が一切ないよ!

は、忘れてた!

じゃあ、ついでにクイズにしちゃおう!

問題「殿が忘れた物は何でしょう?」

最初からちゃんと読んでいれば、答えは自然とわかるはずです♪♪

 

 

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