うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

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日本の比翼鳥 ~『男色比翼鳥』巻1の1 その9~

「うきよのおはなし(はてな)」一周年記念企画『男色比翼鳥』巻1の1読み直し続きだよ!

取り上げて欲しい作品やテーマは引き続き募集中だよ!

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※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しております。
男色比翼鳥 6巻. [1] - 国立国会図書館デジタルコレクション
※画像はクリックすると拡大します。

翻刻

く鳥と名(なづ)付たりまたつかよりはへたる木をれんりの
枝(ゑた)とよびけるとかや是ハ天竺(ぢく)のはなし爰に近
江国(あふみのくに)神崎(かんざき)と云所に外山主膳(とやましゆぜん)小野川(をのがハ)初三郎とゆふ
美児(びせう)とわりなくかたりふかき事言葉(ことば)にも筆(ふで)
にもつくしがたきほどの知契かたれば永(なが)し
少しの分にて心中しけれども互(たがい)に魂(たましい)つき
そいて今和朝(わちやう)のひよくの鳥とハなりぬ是よりは
るか南(ミなミ)ふだらく世界ニありけるをわれ仏力(ぶつりき)をもつて
今爰へよびよせなんじがちからともなし東
までおくらすへしと左(ひだり)の御手にてまねか
せ給へば五色の鳥とびきたるときに御佛(ミほとけ)の
たまハくいそぎこの鳥にのり下総に立

赤字が前回のくずし字クイズの答えです。
[くずし字クイズの補足説明]
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 【現代語表記】

[比]翼鳥と名付(なづ)けたり。
また、塚より生えたる木を連理の枝(えだ)と呼びけるとかや。
是は天竺の話。
爰(ここ)に近江国(おうみのくに)神崎(かんざき)と言う所に、外山主膳(とやましゅぜん)、小野川初三郎(おのがわはつさぶろう)と言う美児(びしょう)と理(わり)無く語り、深き事、言葉(ことば)にも筆(ふで)にも尽くし難き程の知契、語れば永(なが)し。
少しの分けにて心中しけれども、互(たが)いに魂(たましい)付き添いて、今、和朝(わちょう)の比翼の鳥とは成りぬ。
是より遥か南(みなみ)補陀落(ふだらく)世界に在(あ)りけるを、我、仏力(ぶつりき)を以(もっ)て、今、爰(ここ)へ呼び寄せ、汝(なんじ)が力とも為(な)し、東まで送らすべし。」
と、左(ひだり)の御手にて招かせ給へば、五色の鳥、飛び来たる。
時に、御佛(みほとけ)宣(のたま)はく、
「急ぎこの鳥に乗り、下総(しもうさ)に立

【さっくり現代語訳】

[鳥を観察すると、色は五色に彩られ、頭が二つある、これまで見た事のないような鳥だったので、当時の人は]比翼姫の名を取って比翼鳥と名付けた。

また、墓から生えた木連理の名を取って連理の枝と呼んだそうだ。

まあ、これは所詮、インドでの話だ。

ここ日本では、近江国の神崎[現在の滋賀県という所で、外山主膳(とやましゅぜん)と言う男と、小野川初三郎(おのがわはつさぶろう)と言う美少年が、とても深く男色の契りを交わしてたのだが、とても言葉や筆では語り尽くせるものではない。

ちょっとしたことが原因で二人は心中したが、その魂はお互いに離れず、今は日本の比翼鳥となっている。

日本の比翼鳥は、ここからはるか南の補陀落(ふだらく)観音菩薩が住んでいるとされる所]にいるのだが、ワシの仏力を駆使して、今、ここに呼び寄せ、お前たちの力にして関東まで送らせよう。

と左の手で招くと、五色の鳥が飛んで来ました。文殊は、

「すぐにこのに乗り、下総国(しもうさのくに)

【解説】

比翼の鳥[雄と雌が一つの翼で一体になった鳥]連理の枝[枝が繋がった二つの木]も、夫婦の仲が良い事のたとえに使われます。

元は中国から伝わった言葉で、有名どころでは長恨歌に使われています。

ここでの文殊による比翼連理の由来は、元は『捜神記』のお話がベースにはなっていると思われます。

ただ、たまたま目にした中国明代の白話小説『石点頭』巻十四「潘文子契合鴛鴦塚」は、男色の話なのですが、最後の方で、「那仲先、文於墓中生出連理大木,勢若合抱,常有比翼鳥棲在樹上という記述があるのを見つけました。

この文殊のお話は『石点頭』直接の典拠で、『男色比翼鳥』という書名イデア『石点頭』に拠っている可能性があります。

が、他にも似たようなことが書いてある作品がありそうですし、そもそも、『石点頭』中国語で書かれているので、私がちゃんと読めていないというね(笑)

この文殊のお話では、比翼連理人の名前にしちゃってるし、仏教の発祥の地がインドだからでしょうか、舞台インドにしちゃって、かなりデタラメ感が強くなっちゃってます(笑)

で、長々と話した挙句、「是は天竺の話」バッサリ切り捨て、日本の比翼鳥由来を話すのですが、インドの話が長くて疲れたのか、日本の比翼鳥の話はかなりアッサリしています(笑)

まあ、文殊男色の仏様ですので、インドの例を出したのは比翼鳥のことを言いたかっただけで、男女の色恋沙汰は気に入らなかったのでしょうね(笑)

外山主膳小野川初三郎はいかにも男色物に出てきそうな人物名なのですが、典拠が何かは今回はちょっと判明しませんでした。引き続き調査します。

この箇所の挿絵も見てみましょう。

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国会図書館のは破れがあったので、この挿絵は霞亭文庫所蔵の物を使用しました。
霞亭文庫書誌詳細
画像はクリックで拡大します。

 

文字は「ひよくひめ」「れんりまる」と書かれています。

連理の正式名称は「連理丸」なのですね。

どう見ても、インドではなく中国風に描かれています(笑)

次回予告とくずし字クイズ

さて、実は、次回巻一の一読み直し終了です。
まだ、お話巻一の二続くのですが、どうしましょう?f:id:KihiminHamame:20180921011753j:plain

三つ目コーナー

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何か急にクオリティー下がったな!

 

    

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