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「悪い行いには、仏の力で罰が下る!」伯父はそう考えてる  ~『玉水物語』その18~


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玉水物語 2巻 | 京都大学貴重資料デジタルアーカイブ
※この記事では、京都大学貴重資料デジタルアーカイブの画像を、適宜改変して使用しています。

翻刻

しりて心とすりをはかつてそことあんするにおこら
さるねんをりとすねんをはらいてくとくとす此仇
しらすして思ハんことハちからなしゑんきのみかとゝ
申ハまつ代迄忍れさせ給ひしみかと成とも過後の
しゆくこうによりてむけんのそこにしつミ給ふ帝ミの
おほちこふや上人とて世をそむき給ひし人御む
そうのつけにしたかひてむけんのそこによりすみ
かしらのことく成をかなはさみにてはさミ出し給ふと
こそ申せかゝるめてたき御門たに前世のこうをハ
まぬかれ給ハす又ハりまのしよしやにすミけるうハゞミ

すゝめの子を尋るとてほけきやうの聲をきゝし
ゆえしやうむ天王の后とならせ給ひし也今悪念
をはらひほたいしんをおこしちう悪五きやくのさい人
まて道引給ふみたのミやうこうをたのミ奉らハ御し
やうハうたかひあらし然るになんしもけたもの也我もち
くるい成ハいつかうしよかんの身として何れをけう
けすへしていふ其ときわかきつねことハりハいとよくし
り給ひて佛の力にはけ給ふはかりこといつたんのわさ也
ほうねん上人の仰られし事をみゝにとゝめて覚
きかんといふハ善悪をきらハさる所也つミにりひは

赤字が前回の予習の答え。

【現代語表記】

知りて心とす。理(り)を計って、そこと案ずるに、起こらざる念(ねん)を理とす。念を払いて功徳(くどく)とす。この仇(あだ[かたき])を知らずして、思わんことは力なし。
延喜(えんぎ)の帝(みかど)と申すは、末代迄忍[偲][慕]ばれさせ給いし帝成れども、過後[過去]の宿業に拠りて、無間の底に沈み給う。
帝み[?]の皇子(おうじ)高野上人(こうやしょうにん)とて世を背き給いし人、御夢想の告げにに従って、無限の底に寄り[?]、炭頭(すみがしら)の如く成るを、金鋏(かなばさみ)にて挟(はさ)み出し給うとこそ申せ。かかる目出度き御門[帝]だに、前世の業(ごう)をば免(まぬが)れ給わず。
又、播磨の書写山(しょさざん)に住みける蟒蛇(うわばみ)、雀の子を尋ぬるとて、法華経(ほけきょう)の声を聞きし故(ゆえ)、聖武天王天皇(しょうむてんのう)の后(きさき)と成らせ給いし也。
今、悪念を払い、菩提心(ぼだいしん)を起こし、十悪五逆(じゅうあくごぎゃく)の罪人迄道引き[導き]給う弥陀(みだ)の名号(みょうごう)を頼み奉らば、御生[後生](ごしょう)は疑い非(あら)じ。然(しか)るに、汝(なんじ)はも獣(けだもの)也。我も畜類(ちくるい)成れば、一業所感(いっごうしょかん[いちごうしょかん])の身として、何(いず)れを教化(きょうか)すべし」
[「と」の誤りか]言う。其の時、若狐、
「理(ことわり)はいと良く知り給いて、仏の力に化け給う謀(はかりごと)、一旦の業(わざ)也。
法然上人(ほうねんしょうにん)の仰せられし事を耳に留めて、覚え聞かんと言うは、善悪を嫌わざる所也。罪に理非(りひ)は

【さっくり現代語訳】

 真理というものを知って、初めて正しい心が出来るのじゃ。
 真理というものが何か色々と思い巡らしてみた所、悪い考えを起こさない事が真理だと分かった。
 悪い考えを捨てることこそ、善行というものじゃ。
 この病人の父は、ワシを殺された恨みなど知らず、自分悪い考えを持っているなどと思ってもいないので、思い知らせてやらねばならぬのじゃ。
 延喜(えんぎ)の帝(みかど)醍醐天皇(だいごてんのう)]は、後の世までも讃えられるべきでいらっしゃるが、前世での悪い行いのために、無間地獄の底に落ちてしまわれた。
 帝の皇子(おうじ)高野上人(こうやしょうにん)は、世を捨てて仏道修行をされておられたが、夢のお告げによって、無間地獄の底から、大きな炭のような姿になってしまわれたを、金箸(かなばし)で挟んで救い出されたということじゃ。
 このような素晴らしいでさえも、前世での悪い行いを受けることから、逃れられることはできない。
 また、播磨国書写山[※ 現在の兵庫県姫路市にある]に住んでいる大蛇は、雀の子でも食べようと探していた時、法華経という声[※ ウグイスの「ホーホケキョウ」という鳴き声のことか]を聞いて悪い考えを捨て、生まれ変わって聖武天皇の后(きさき)光明皇后となられた。
 今、悪い考えを捨て、悟りを求めようと決心し、めっちゃ悪いことをしまくった罪人までもお救いになる、南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」という念仏を唱えれば、素晴らしい来世が待っているだろう。

 しかし、お主ワシケダモノ・畜生で、前世悪い行いを受けている最中のもの同士、仏教の教え人を導くことなどできはしないから、こうするしかないのじゃ」
 と伯父反論しました。それに対して玉水は、
真理というものをよくご理解されているのに、仏の力によるものということにして、自分の恨みを晴らそうとするのは、その場しのぎの言い訳でしかありません。
 法然上人(ほうねんしょうにん)教えを知りながら、それに反することをするのは、もう善悪の区別がわからなくなっているということですよ。
 に良い悪いは

【解説】

 このあたり、どうも誤字脱字やら写し間違いやらがたくさんあるみたいで、よく意味が通じません。
 このまま訳すと、意味不明な文章になってしまうので、想像力を駆使して、何とか、意味が通じるように工夫したので、そのあたりはご了承くださいませ。
 要するに、伯父さんは「を犯した者はを受けるのが当然、それが仏の教え!」とでも言いたいようです。
 玉水はあきらめずに説得を続けますが、はてさて。

次回の予習

さて、一体これは誰のことでしょうか?
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三つ目コーナー

三つ目入道の姿をしているけど、仏教の教え理解してるのかなあ?

 

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