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鼻長僧侶のお話 その2 ~『宇治拾遺物語』より~

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※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。
和文教科書. 7之巻 宇治拾遺物語ぬきほ - 国立国会図書館デジタルコレクション

【原文】

かり、彫《ゑ》り通して、火の炎の、顔に、当たらぬ様《やう》にして、其の折敷の穴より、鼻を差し出でゝ、提の湯に、差し入れて、良く茹《ゆ》でゝ、引き上げたれば、色は、濃き紫のいろなり。
 それを、側様《そばさま》に臥せて、下に物を当てゝ、人に踏ますれば、粒立ちたる穴ごとに、煙の様《やう》なる、物出《い》づ。
 それを、甚《いた》く踏めば、白き蟲の、穴ごとに、差し出づるを、毛抜きにて抜けば、四分ばかりなる、白き蟲を、穴ごとに、取り出だす。
 其の跡は、穴だに、明きて見ゆ。
 それを、また、同じ湯に入れて、さらめかし沸《わ》かすに、茹づれば、鼻小さく、萎《しぼ》み上がりて、只人《たゞびと》の、鼻の様《やう》に成りぬ。
 また、二三日に成れば、先の如くに腫れて、大きになりぬ。
 斯《か》くの如くしつゝ、腫《は》れたる日數は、多くありければ、物食ひける時は、弟子の法師に、平なる板の、一尺ばかりなるが、廣さ一寸ばかりなるを、鼻の下に、差し入れて、向ひ居て、上様《かみざま》へ持て上げさせて、物食ひ果つるまでは、有りけり。
 異人《ことひと》して、持て上げさする折は、荒く持て上げゝれば、腹を立てゝ、物も食はず。
 されば、此の法師一人を定めて、物食ふ度毎《たびごと》に、持て上げ

【現代語訳】

 そこで、提《ひさげ》[小さなヤカンのような器]にお湯を沸かし、折敷《おしき》[木のお盆]に鼻が入るくらいのを彫って開けます。
 それは、お湯を沸かす火の炎に当たらないたらないようにするためで、その折敷に開けたを差し込んでから、お湯を沸かしたを入れてよく茹でます。
 引き上げると鼻の色濃い紫色になります。
 それから、を横向きに伏せて、下に布などを敷いて、人に踏ませます。
 すると、鼻のブツブツと言うから、煙のような物が出てきます。
 さらに、激しく踏むと、白い虫全ての穴から出てくるので、毛抜きでその12ミリくらい白い虫を一匹ずつ抜いて取り出します。
 白い虫を取り出したあとは、ただが開いているだけのようです。
 そうしたをまた同じ提のお湯に入れ、沸かし茹でサラサラとゆがくと、は小さく縮み上がって、普通の人の鼻と同じようになるのです。
 しかし、二三日経つとまた、のように腫れて大きくなってしまいます。
 このように治療はするのですが、鼻が腫れている日が多いので、食事の時は、弟子の僧の一人正面に座らせ、長さ30センチ幅3センチぐらい平らな板を、鼻の下差し入れさせて、食事が終わるまで上に持ち上げさせました。
 ほかの人持ち上げさせると、荒っぽく持ち上げるので、禅珍内供腹を立てて、食事をしませんでした。
 なので、この弟子の僧一人だけに、食事のたびに持ち上げさせ

【解説】

はい、この箇所はなるべく想像せずに読んだ方がいいですヾ(๑╹◡╹)ノ"
それにしても、こういう症例実際にあるのでしょうか?
白い虫ということは寄生虫でしょうか?
それとも白い虫のような膿《うみ》
みんなが一生懸命治療してくれるのに、荒っぽく持ち上げられただけで怒る禅珍内供、なんだかそんなに良いお坊さんではない気がしてきました。

三つ目コーナー

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