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井原西鶴が描く明智光秀! その5 ~『武家義理物語』巻一の二「瘊子は昔の面影」~

 

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武家義理物語 6巻. [1] - 国立国会図書館デジタルコレクション
※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しております。
    

 

書き入れ画像(クリックで展開)

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翻刻【現代語表記】(クリックで展開)

翻刻

それより二たび皃《かほ》をも見ずに隔
て。里帰《さとかへ》りの時。段/\《だん/゛\》状通にしるし。右《ミぎ》もらいしハ
姉《あね》なれバ。難病《なんびよう》ハ世に有るならひ。たとへむかしの形《かたち》

ハなくとも。是非《ぜひ》におくらせ給へ。一 命《めい》にかけても夫妻《ふさい》
願《ねが》ひの所存《しよぞん》。ことに此《この》たび妹《いもと》の心入。女ながら道理《たうり》に
つまりけると。心中の程《ほと》いひやりしに。親里《をやざと》に
も此事 満足《まんぞく》して。十兵衛 願《ねが》ひにまかせ。また姉《あね》
娘《むすめ》をつかハしけるに。うちとけて。ふびんをかけ
此 中《なか》長《なが》くもかなと祈《いのり》ける。女ハひとしほ男《をとこ》の情《なさけ》
をわすれもやらず。萬《よろつ》心にしたがひぬ。此 妻《つま》美女《びぢよ》
ならバ。心のひかるゝ所も有に義理《ぎり》ばかりの女房《にうハう》
なれば。只《たゞ》武《ぶ》をはげむひとつに身をかためぬ。
女かたちに引きかへて。こゝろたけく割《わり》なき中に
も外を語《かた》らず。明暮《あけくれ》軍《いくさ》の沙汰《さた》して。廣庭《ひろにハ》に


真砂《まさご》を集《あつめ》め。城取《しろどり》せしが。自然《しぜん》と理《り》にかなひて

十兵衛が心の外なる事も有て。そも/\此女 武《ぶ》
道《だう》の油断《ゆだん》をさせずして。世に其名《よのな》をあげしと也。

【現代語表記】
其れより二度《ふたたび》顔《かお》も見ずに隔て、里帰《さとがえ》りの時、段々《だんだん》状通に記し、
「右《みぎ》貰いしは姉《あね》なれば、難病《なんびょう》は世に有る習《なら》い、たとえ昔の形《かたち》は無くとも、是非《ぜひ》に送らせ給え。
一命《いちめい》に掛けても夫妻《ふさい》願《ねが》いの所存《しょぞん》。
殊《こと》に此《こ》の度《たび》妹《いもと》の心入れ、女ながら道理《どうり》に詰まりける。」
と、心中の程《ほど》言い遣りしに、親里《おやざと》にも此の事 満足《まんぞく》して、十兵衛 願《ねが》いに任せ、また姉娘《あねむすめ》を遣わしけるに、打ち解けて、不憫《ふびん》を掛け、
「此の中《なか》、長くもがな。」
と祈《いの》りける。
女は一入《ひとしお》男《おとこ》の情《なさ》けを忘れもやらず、万《よろず》心に従いぬ。
此の妻《つま》、美女《びじょ》ならば、心の惹《ひ》かるる所も有るに、義理《ぎり》ばかりの女房《にょうぼう》なれば、只《ただ》武《ぶ》に励む一つに身を固めぬ。
此の女、形に引き換えて、心 猛《たけ》く、、割《わ》り無き中にも外を語《かた》らず、明《あ》け暮《く》れ軍《いくさ》の沙汰《さた》して、広庭《ひろにわ》に真砂《まさご》を集《あつ》め城取《しろど》りせしが、自然《しぜん》と理《り》に適《かな》いて、十兵衛が心の外なる事も有りて、そもそも此の女、武道《ぶどう》の油断《ゆだん》をさせずして、世に其《そ》の名《な》を揚《あ》げしと也。

 

【現代語訳】

それから、十兵衛妹娘は、二度とを合わせず離れて過ごしました。

そして、妹娘里帰りの時に、十兵衛事の次第書状に記しました。

以上に記した通り、貰い受けたのはです。

難病にかかるのは、世の中ではどうしても起こりうることです。

たとえ美しい姿でなくなったとしても、ぜひ私の元送ってくださいませ。

を懸けても夫婦になりたく存じます。

特に、この度《たび》の心意気は、ながら道理にかなった素晴らしいものでした。」

と、十兵衛心の中を打ち明けると、親里の方でもこのことに納得して、十兵衛の願い通りに、改めて姉娘を遣わしたのでした。

十兵衛姉娘打ち解けて、

「この長く続きますように。」

祈ったのでした。

となった姉娘は、十兵衛が掛けてくれた情けを決して忘れることはなく、全て十兵衛考え従ったのでした。

この美女であったならば、十兵衛に溺れてしまうこともあったでしょう。

しかし、容姿ではなく義理第一としてとしたので、十兵衛はただひたすら武道を励む事だけに打ち込んだのでした。

この美しい容姿引き換えに、勇ましい心を持ち、十兵衛とは良い仲ではありながら、余計な事は言いませんでした。

いつも戦《いくさ》戦法を考え、広庭細かい砂を集めて使い、陣取りシミレーションをしていましたが、自然にかなっていて、十兵衛が思いもよらない戦術を編み出したりしました。

こういうわけで、この十兵衛武道を怠ける隙《すき》を与えず、十兵衛その名世間轟かすようになったのでした。

【解説】

十兵衛明智光秀願いで、当初の約束通り姉娘嫁入りをします。
となった姉娘は、十兵衛武道専念する手助けとなり、十兵衛出世していくという、ハッピーエンドとなりましたヾ(๑╹◡╹)ノ"

西鶴光秀謀反者としては、これっぽっちも書いていませんね。
意外とこの当時世間でも、光秀優秀な武将として評価されていたのかもしれません。

ちなみに、史実では、光秀と妻の娘が、細川ガラシャです。
そして、光秀の妻本能寺の変亡くなっています。

光秀の妻この話で書かれているような人物であり、が早くに亡くならなければ、本能寺の変その後もまた別の展開になっていたかもしれませんね。

あれ?妹娘に帰った後、どうなったの?

三つ目どうなってもいいけどねヾ(๑╹◡╹)ノ"

次回挿絵の解説などをして、このお話紹介終了したいと思いますヾ(๑╹◡╹)ノ"

 

 

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