今日から『好色一代女』巻4-4「栄耀願男」の本文を読み始めるよ!
井原西鶴作『好色一代女』(貞享三[1686]年刊)は、二人の青年が京都の嵯峨の「好色庵」に住む老女(一代女)を訪れるシーンから始まります。
「色道の真髄」を知りたいという青年たちに、一代女はこれまでの人生を語り始めます。
要するに、とある好色な女性の一代記というわけです。
一代女は色恋に明け暮れながら職を転々として、この巻4-4では堺にやってくるわけですが。。。
とりあえず、前回のくずし字クイズの答えです。
このブログは江戸文学を広く愛していただくために、ディープな方にもライトな方にも楽しんでいただけるよう心がけております♪
ほぼ自力で書いているので、間違ってたらごめんなさいね♪
最初に謝っておきます(笑)
あとで間違いに気づいたら、しれっと訂正してると思います(笑)
でも、間違いは恐れずにガンガン更新していきますので!(笑)
一応、江戸文学に関しては、それなりの勉強はしているので、それなりのものは書けているはずです(笑)
それでは、『好色一代女』巻4-4「栄耀願男」の本文を読んでいきましょう♪
※国会図書館の画像を利用しています。
国立国会図書館デジタルコレクション - 好色一代女. 巻4
16ページ目です。
【原文】
栄耀願男(ゑようねがひおとこ)
女ながら渡(わた)り奉公(ぼうこう)程可笑しきは無し。
我、久/゛\江戸・京・大坂の勤(つと)めも、秋[「飽き」とかけた]の出替りより泉州堺(せんしうさかい)に行きて、
「ここにも住(すま)ば、又珍しき事もや」
と思ひ、錦(にしき)之町(てう)の中浜(なかばま)と言ふ西側に、人置(をおき)の善九郎と言へる有りしに、此の許(もと)に頼(たの)み居(ゐ)て、一日六分づゝの集札(しゆらい)忙(せは)しく、日数(ひかず)を経るうちに、「大道筋(だいだうすじ)の何(なに)がし殿の御隠居(ゐんきよ)」とかや
「中居分(なかゐぶん)にして、御寝間(ねま)近く夜の道具(だうぐ)の上げ下ろし計(ばかり)に召(めし)抱へられし」
とて尋ね来(きた)りて、自(みづから)を見しより、
「是ぞ年の程、外れ麗しく、身の取り回し、一つとして悪しき所なく、御気(き)に入り給ふ女房衆(にようばうしゆ)なり」
と、取替銀(とりかへぎん)も値切らず、そのお家(いゑ)久しき姥(うば)らしき人
【ざっくり現代語訳】
「男となって好き放題したい!」という願い
女であるものの、職場を転々とすることほど、おもしろいものはありません。
私は長らく江戸・京・大坂で働いていましたが、飽きたので秋からは、
「ここに住んだら、またおもしろいことがあるだろう」
と思い、和泉国の堺に行くことにしました。
錦之町の中浜という所の西側にある、善九郎という職業紹介屋に身を寄せ、毎日六分の諸経費を世知辛く取られながら過ごしていると、大道筋のとあるご隠居の所から、
「寝室近くで寝具を出したりしまったりするだけの仲居を雇いたい」
と尋ねて来ました。
私を一目見るなり、
「年齢もちょうどいいし、見た目も美しく、身のこなしも、何一つとして悪いところがない。ご隠居様もきっとお気に召される女性だ」
と言って、前渡し金もケチらず、その家に長く勤めている乳母らしい人が、
【解説】
一ページごとに紹介する予定ですが、ページごとに文章が区切られているわけではないので、すごい中途半端なところで切れています(笑)
そこらへんは何とか工夫して訳しますので御了承ください(笑)
秋の奉公は、九月からです。
基本的に、奉公の契約期間は 一年 か 春[三月~八月] 及び 秋[九月~二月] の 半年 となります。
六分は銀の単位で、だいたい150円くらいでしょうか。
それにしても、布団の上げ下ろしだけの仕事って、何か裏がありそうですね。。。
最後に、文中に「錦之町の中浜」「大道筋」という地名が出てきたので、どのあたりか、当時の地図をごらんください。
※国会図書館の画像を利用しています。
国立国会図書館デジタルコレクション - 堺大絵図改正綱目
堺の全体の地図ですが、真ん中を通っているのが大道筋です。
錦之町はこのあたりです。
アップ!
読みにくいから回転!
というわけで、今回のクイズはくずし字ではなく、「錦の町の中浜」がどこだか探してみてください♪
やったー!今回のクイズはよく見たら僕でもわかったよ!
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