うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

江戸文学の楽しさを皆さんにお伝えできれば♪

当ブログは広告・PR・アフィリエイト等を含みます。

姥の大自慢大会 (『好色一代女』巻4-4「栄耀願男」その3)

当ブログは広告・PR・アフィリエイト等を含みます。

今回は、家の自慢話を始めるよ!

前回、中途半端に途切れた、姥の話の続きです。

f:id:KihiminHamame:20180212212838j:plain
国会図書館の画像を利用しています。
国立国会図書館デジタルコレクション - 好色一代女. 巻4
17ページ目です。

f:id:KihiminHamame:20180212212915j:plain

【原文】

い女でも有ればなり。

今は成り上がり者の癖に、我儘(わがまゝ)を抜かして、駕籠(のりもの)に、重ね布団。

(こし)の骨が折れぬが不思議(ふしぎ)

と、さん/゛\に訕(そしり)行く。

(みゝ)の役(やく)に聞程(きくほど)可笑しや。

「朝夕(てうせき)も余所(よそ)は皆(みな)赤米(あかごめ)なれども、此方(こち)播州(ばんしう)天守(てんしゆまい)

味噌(みそ)も入り次第、聟殿(むこどの)が酒(さか)屋にて取る。

(まい)日湯風呂(ゆふろ)は焼(たく)も、身無詳(みぶしやう)で洗(あらは)ぬ損。大節季(おほぜつき)に一門中(もんぢう)から、寄餅(よるもち)なら、肴(さかな)物なら、それは/\。

(さかひ)が広けれども、大小路(おほせうぢ)限って南(みなみ)に、此方(こち)の銀(かね)借らぬ者(もの)もなし。

これから二町行(ゆき)て鬼門角(きもんかど)も、内(うち)方から出た手代衆(てだいしゆ)

此方(こなた)住吉(すみよし)の祭(まつり)見さしやつた事が有るまい。

(なが)い事じやが、其の時は定まつて宵宮(よみや)から、家内(いゑうち)行く所が有る。

其れより追付(をつつけ)、湊(みなと)の藤(ふじ)見に、大重箱(おほぢうばこ)南天(なんてん)を敷(しき)て、赤飯(せきはん)山の様(やう)にして

【ざっくり現代語訳】

のセリフの続き)

「~今の奥最初の奥様が連れてきた腰元「しゅん」という者で、最初の奥様が流行り風邪でお亡くなりになってから、物好きな旦那様にされたのですが、良い女であるならまだしも、ただの成り上がり者のくせに、わがまま放題。

出かける時は駕籠に乗り、夜は何枚も重ねた布団で寝ます。[「駕籠にも布団を重ねて敷いて乗ります」か?]

駕籠の揺れと布団の重さで腰の骨が折れないのが不思議ですわ」[「足腰が弱って腰の骨が折れないのが~」か?][それとも慣用句的なもの?]

とディスりまくります。

勝手に耳に入ってくるので聞きますが、おかしくて仕方ありません。
 

のセリフ)

「朝晩に食べるは、他所[よそ]はどこも安い赤米ですが、我が家ではブランド米播磨国兵庫県天守

娘婿酒屋なので、味噌はそこから必要な分だけ持ってきまする。

毎日、お風呂を沸かすので、いくら無精者だといっても、入らないのは損ですぞ。

晦日には親戚一同からやらやらが届けられるので、それはそれは見事なものです。

広いの町にもかかわらず、大小路から我が家からを借りてない所はありませぬ。
ここから二町[約220メートル]ほど行った所の鬼門角[北東の角]にある屋敷も、我が家から暖簾分けした手代[従業員]なのです。

あなたは住吉大社お祭りを見たことはないでしょうな。

まだ先のことですが、前夜祭から家中皆で行くところが決まっているのです。

そのことはまあ置いておいて、近々のことでは、藤の花を見に行きます。

大きな重箱南天の葉を敷き、赤飯を山のように盛り付けて

【解説】

は、一代女奉公する上での注意点を教えてるかと思いきや、奥様の悪口になり、果ては家の自慢を始めます。

おしゃべりなだこと(笑)

文中に出てくる大小路はここです。

f:id:KihiminHamame:20180210233937j:plain
国会図書館の画像を利用しています。
国立国会図書館デジタルコレクション - 堺大絵図改正綱目

f:id:KihiminHamame:20180212215022p:plain
f:id:KihiminHamame:20180212215040p:plain

ここからとはこの範囲ですかっ!

f:id:KihiminHamame:20180212215050p:plain

この家は金融業だったのですかね???

住吉大社大阪市住吉区にある神社で、の方にあります。

お祭り六月三十日頃だったようです。

一代女の契約期間は九月~二月なので、もう半年契約を更新しないと見に行けませんね。

の方にあった地名で、今でも湊駅が存在します。

藤の花の見ごろはたぶん三月ぐらいなので、あら、こちらも見に行けない???

藤の花じゃなくてとか見に行くのかしらん?

あ、言い忘れてましたが、ここでのは全て旧暦ですので!

前回のくずし字クイズの答え

f:id:KihiminHamame:20180212215443j:plain

f:id:KihiminHamame:20180211234730j:plain
順に「す」「の」「つ」「た」「か」ですね♪

今回のくずし字クイズ!

次回に紹介するページからの出題です♪

f:id:KihiminHamame:20180212221200j:plain

この字は、ここまでのページでも何回か出ているのですが、

f:id:KihiminHamame:20180212221327j:plain

この過去記事でもちょっと述べている字です♪
kihiminhamame.hatenablog.com

今回のシリーズは妖怪が出てこないから何だかサビシイヨ。。。

 

◆北見花芽のほしい物リストです♪ ご支援よろしくお願いします♪

f:id:KihiminHamame:20171119223122j:plain
いただいた紅茶のレビューはこちら♪

いただいた桂花陳酒のレビューはこちら♪

◆オススメ書籍

西鶴作品が現代語訳付きでわかりやすく読めます♪

西鶴が語る江戸のラブストーリー―恋愛奇談集

西鶴が語る江戸のラブストーリー―恋愛奇談集

 

 

◆北見花芽 こと きひみハマめ のホームページ♪

f:id:KihiminHamame:20171108164138j:plain

 

はてなIDをお持ちでない方も、拍手で応援していただけたら嬉しいです♪

web拍手 by FC2

 ◆ランキング参加してます♪ ポチしてね♪

にほんブログ村 本ブログ 古典文学へ
にほんブログ村


江戸時代ランキング

◆よろしければ はてなブックマーク もお願いします。憧れのホットエントリー(笑)