前回のクイズの正解発表だよ!
『むじなの敵討ち』の現存する最後の部分が、
「婆喰らいの爺め。かま
で切れていますが、さて、このあと、どういう言葉が続いているのでしょうか?
というのが問題でした。
kihiminhamame.hatenablog.com
私も最初は「釜」かと思ったのですが、おそらく、
「カマドの下を見てみろ!婆の骨があるだろ!」
というように続いているのだと思われます。
根拠としては、滝沢馬琴『燕石雑志』(文化八[1811]年刊)巻4の8で、『かちかち山』は『兎の大手柄』というタイトルで紹介されているのですが、そこではタヌキは
「姥食(うばくひ)の翁よ竈(かまど)下なる骨(ほね)を見ずや」
[ババ食いのジジよ、カマドの下の骨を見てみろよ!]
と言っています。
燕石雑志. 巻之1-5 / 滝沢觧 述
また、「か」ではなく「う」とも読めるので、「うまいと言って食った!」と続く可能性もなくはないです。
根拠としては、帆足万里『修辞通』(弘化三[1846]年頃成立)では、婆汁を食べた爺は、「甘(うま)し」と言っています。
でも、この『修辞通』においても、婆の死体があるのは「竈の後ろ」なので、やっぱり続く言葉は「カマド」なんでしょうね。
国立国会図書館デジタルコレクション - 修辞通
まあ、実物は現存していないので、本当にこれが正解だと断定できないのですが、ここまでは推定できるというわけです。
あと、『むじなの敵討ち』というタイトルはやはり、『ムジナが敵討ちをする』という意味ではなく、『ムジナへの敵討ち[ムジナに対する敵討ち]』という意味だと思います。
副題に「兎の知略」とありますし、やはり兎が知恵を使ってタヌキを退治する、『カチカチ山』の話だと思います。
で、前回、なんか予告した気がしますが、書くのが全然間に合わないので、今日はここまで!
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