『浦島太郎』の続きだよ!
太郎さんは謎の女性の言うことを信じちゃうのかな?
国立国会図書館デジタルコレクション - 御伽草子. 第21冊 (浦嶌太郎)
【原文】
さて、女房申しけるは、
「哀れ、我等を本国へ送らせ給ひてたび候へかし。
これにて捨てられ参らせバ、妾《わらハ》は何処へ何となり候べき。
捨て給ひ候はゞ、海上にての物思ひも、同じ事にてこそ候ハめ」
と、掻き口説きさめ/゛\と泣きければ、浦島太郎も哀れと思ひ、同じ船に乗り、沖の方へ漕ぎ出す。
かの女房の教えに従いて、遥か十日余りの船路を送《をく》り、故郷《ふるさと》へぞ着きにける。
さて、船より上がり、「いか成《なる》所やらん」と思へバ、白金《しろがね》の築地《ついぢ》を築《つ》きて、黄金《こがね》の甍《いらか》を並べ、門《もん》を立て、いかならん天上の住まいも、これにハ如何《いか》で勝るべき。
此の女房の住ミ所、言葉に及ばず、中/\申すも愚かなり。
扨、女房の申しけるは、「一樹の
【くずし字クイズの答え】
さて女ばう申けるハあは
れわれらをほんごくへをく
らせ給ひてたび候へかし。
【ざっくり現代語訳】
さて、女性は、
「どうか私を故郷まで送っていただけないでしょうか?
ここで捨て置かれたら、私はどこでどうなってしまうかわかりません。
そうです、どことも分からないこの場所で捨て置かれたら、海の上で途方にくれていた時と何ら変わりもありませんではありませんか!」
と、何度もクドクドと言って、またもや涙を流してシクシク泣くのでした。
浦島太郎も、またもやかわいそうに思って、同じ船に乗り、女性の故郷を目指して、沖の方へ漕ぎ出したのでした。
そして、この女性の案内に従い、十日以上も船旅を続け、ようやく女性の故郷に到着したのでした。
さてさて、浦島太郎は船から陸に上がり、「ここはどんなとこかしらん?」と思って見てみると、この女性のお家は、銀の築地塀が築かれ、金の瓦が並べられ、門まで立っている、天国にもこれほどのものはなかろうと思われる、言葉では言い表せないほど立派なお家でした。
女性は、「~
【解説】
あっさり、女性を故郷まで送ることを承諾する浦島太郎。
お人良しなのか、女性の美しさにメロメロになってしまったのか?(笑)
それにしても、この女性、よく故郷までの航路をご存知だこと(笑)
十日間、食料とかはどうしたのでしょうか?
船に積んであったとしたら、ますます計画的ですね(笑)
浦島太郎のお話だということをふまえると、どうもやってきたのはおそらく竜宮城で、女性は乙姫のようですね。
というか、竜宮城、海の中じゃない!!!陸だっ!!!
こんなとこだけ、変にリアリティーがありますね(笑)
次回予告とくずし字クイズ
女性のセリフですが、え?まさか、もうプロポーズ?
ヒントっ!
このクルクルはわかりますよね???
三つ目コーナー
ねえ、ねえ、竜宮城はどこにあるの?
そもそも、浦島太郎が亀を釣った、丹後の国の「ゑしまがいそ」がどこだかわかんない。
『千載和歌集』(巻16-990)の藤原家基の歌に「さよ千鳥ふけひの浦に音づれて絵島がいそに月傾ぶきぬ」ってのがあるけど?
その絵島は淡路島にある岩だから、丹後の国から離れすぎてて違うと思う。
って、なんでさらっと『千載和歌集』の歌が出てくるのさ!
インテリかっ!
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