『浦島太郎』の続きだよ!
今回で最終回だよ!
浦島さんと亀さんは幸せになれたのかな?
挿絵
【解説】
蓬莱山で浦島さんと亀が再会した場面でしょうね。
蓬莱台にも用いられる、めでたいシチュエーションの図柄です。
蓬莱山に鶴と亀、そして、松・竹・・・あれ?梅が見当たらない(笑)
山とセットの川は見当たるんですがねえ。
亀の姿が最初に比べて細かく描かれていますが、この耳が長い亀の姿については、次回で改めて考察したいと思います。
国立国会図書館デジタルコレクション - 御伽草子. 第21冊 (浦嶌太郎)
本文
【くずし字クイズの答え】
其のち
うら嶋太郎ハ。丹後(たんこ)のくに
にうら嶋の明神と顕れ。
【原文】
亀は甲に三石[?][三才?][三才石?][三世?]の祝ゐを備へ、万《よろず》代を経しとなり。
扨こそ目出度き様《ためし》にも、鶴亀をこそ申し候へ。
只《たゞ》人には情《なさ》けあれ。
情けの有る人ハ、行末目出度き由、申し伝《つた》へたり。
其の後、浦島太郎は、丹後《たんご》の国に浦島明神と顕《あらは》れ、衆生(しゆじやう)済度《さいど》し給へり。
亀も同じ所に神と顕れ、夫婦の明神(めうじん)と成り給ふ。
目出度かりける様《ためし》なり。
【ざっくり現代語訳】
亀の甲羅には、この世のあらゆる祝い事が刻まれているので、その恩恵でずっと長く生きることができるそうです。
こうして、末永く仲睦まじい鶴と亀は、おめでたい事の象徴となったのでした。
ただ人はひたすら「情け」を持つべきです。
「情け」がある人の将来はめでたい[素晴らしい]ものになると言われています。
その後、浦島太郎は故郷の丹後の国に浦島明神となって現れ、迷える人々を救済なさいました。
亀もまた同じ所に神となって現れ、夫婦の明神となって祭られたのでした。
世の中には、このようなめでたい[素晴らしい]出来事があるというお話でした。
おしまい
【解説】
まず、「三《さん》せき」という言葉の意味がよく分からなかったのですが、謡曲の「翁」に「また万代の池の亀は,甲に三極を備へたり」というこの箇所と似たフレーズがあります。
ただ、「三極」は「さんきょく」で「さんせき」とは逆立ちしても読めません。
「三極」は「天・地・人」を意味します。
関係ありそうな言葉を探してみると。「三才《さんさい》」という言葉があり、これも「天・地・人」を意味します。
「三才」になぞらえて据えた庭石の事を「三才石《さんさいせき》」と言うので、「三才石」が縮まって「三石《さんせき》」なのかなと。
鶴と亀は下手したら当時の人間の平均寿命を超えるほどの長寿だったので、めでたいものの象徴となったのでしょう。
鶴と亀という「めでたいものセット」であることに意味があるのに、浦島が鶴になるという所も今ではカットされてるんですよねえ。
なんか最後になって「情け」という言葉がやたら出てきますが、何でかと思ったら、そもそも、浦島太郎が亀の命を助けたのが、「情け」がある行為というわけなんですよね。
スッカリ物語の発端を忘れてました(笑)
でも、亀が釣られたのは、実は計画的犯行なんじゃないかと疑っています。
実際、『風土記』では、亀は浦島と仲良くなりたくて、ワザと釣られるんですよ!
あ、そうか、この作品は、浦島神社の由来を書いたお話だったんですね!
最後まで読んでようやく気づきました(笑)
「浦島神社縁起」と言っても良いでしょう。
ただの漁師が最後には神様になってしまったわけですが、その浦島神社は実際にあります!
浦嶋神社公式サイト|京都府伊根町|縁結び、長寿、漁業、航海、星に対しての信仰
つまり、浦島さんと亀さんは今でも浦島神社にいるはずです!
ちょっと天然な浦島さんと肉食系女子の亀さんに、会いに行きたくなりました♪
そうだ 京都、行こう。
[浦島神社バージョンもぜひ放映してほしいものです。]
三つ目コーナー
カメ好き好き~♪
お前はどこのカメじゃ♪
折角いい感じで終わらせたのに、もう台無し!!!
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