今回は、id:happy-ok3 さんの「スズメのお話」と、ColdSnap (id:ColdSnap) さんの「本当はこうだった昔ばなし」というリクエストにお応えするよ!
スズメの昔話と言えば、やっぱり『舌切り雀』が一番有名ですかね。
国会図書館デジタルコレクションで、『舌切り雀』の江戸時代の絵本をいくつか見ることが出来ます。
国立国会図書館デジタルコレクション - 徃昔舌切雀
国立国会図書館デジタルコレクション - 舌切雀
国会図書館デジタルコレクションは、PCからじゃないと見辛いのが難点ですが、左の「書誌情報」の下の「詳細レコード表示にする」という所をクリックすると、実はあらすじがご覧になれます。
見てみると、上の二つの作品は、知ってる『舌切り雀』のお話とさほど違いはないみたいですね。
それじゃあ、つまんないので、ほかにいいのがないかと探してみたら、よさげなのがありました♪
国立国会図書館デジタルコレクション - 大鳥毛庭雀 2巻
「詳細レコード表示にする」をクリックしてもあらすじが書かれていないので、これならネタバレもしませんね(笑)
パッと見た感じも何か普通の『舌切り雀』とは違うっぽいです♪
タイトルも『舌切り雀』ではなく、『大鳥毛庭雀』ですし♪
というわけで、『大鳥毛庭雀[おおとりげにわすずめ]』(明和5[1768]年刊・観水堂丈阿作・富川房信画)を今回から読んで行こうと思います♪
例のごとく、最後まで読んでから更新していくわけではなく、読みながら更新して行くので、ひょっとしたら、あまりおもしろくない作品かもしれませんが、どうぞ最後までおつきあいくださいませ♪
※当ブログでは、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して利用しています。
本文
【原文】
昔、ある片田舎に、正直なる爺婆《ぢゝばゞ》有りけり。
毎日山へ行きて薪《たきぎ》刈りて帰りけるが、ある朝、烏、子雀を追つかけ廻りしを見付け、「雀を助けん」と思ふ。
【さっくり現代語訳】
昔、あるド田舎に、正直者のジジとババが住んでいました。
ジジは毎日、山で薪を取っていました。
ある朝、山からの帰りに、カラスが子スズメを追っかけまわしているのを見つけたので、ジジは「スズメを助けてやろう!」と思いました。
【解説】
昔話の典型で、お爺さんとお婆さんが出てきます。
これまた典型で、お爺さんは山へ芝刈りに行くわけです。
それにしても、この頃からカラスは悪者扱いだったみたいですね。
ジジのセリフ
【原文】
「烏に蹴られたら、雀が落ちよふ。
助けてやろふぞ。待て/\」
【さっくり現代語訳】
「カラスに蹴られたら、スズメが落ちてしまうではないか!
助けてやるから待っておれ!」
【解説】
「萑」は本来、「スズメ」とは読まない字なんですけど、どうもこの頃「雀」とごっちゃで使われていたみたいです。
さてさて、お爺さんはどうやってスズメを助けるのでしょうか?
というか、今の『舌切り雀』のお話は、ケガをしていたスズメを助けるんでしたっけ?
ちなみに、「丸小」というのは出版者の名前[丸屋小兵衛]です。
次回予告とくずし字クイズ
ちなみに、この女性はババじゃなくて、隣の奥さんです(笑)
現代と異なる仮名は「か(可)」しか使われていないので、簡単です♪
三つ目コーナー
『宇治拾遺物語』の「腰折れ雀」[「雀報恩の事」]ってお話が、『舌切り雀』の原型の一つなんだよ。
ねえ、ねえ、カツラと植毛、どっちがいいかな?
話の腰を折るんじゃねえ!
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