『大鳥毛庭雀』[『舌切り雀』]の続きだよ!
僕も踊りに混じりたいなあ。
※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して利用しています。
国立国会図書館デジタルコレクション - 大鳥毛庭雀 2巻
※画像はクリックすると拡大します。
①本文とジジのセリフ
【くずし字クイズの答え】
かくてすゞめハぢゝに◆
いろ/\ちそうして◆なぐ◆さめ◆ける
さて/\◆おもしろい事じや
【原文】
かくて雀は爺に色/\馳走《ちそう》して慰めける。
「さて/\、面白い事じゃ」
【さっくり現代語訳】
こういうわけで、スズメはジジに色々ご馳走をしてもてなしました。
[ジジのセリフ]「それにしても、面白いショーじゃのう」
【解説】
仲間のスズメを動員して、ジジにスズメショーが披露されたようです。
ひょっとしたらジジは歌謡ショー好き???
②歌謡
【原文】
立傘《たてがさ》見ゆる これさ
台笠《だいがさ》が見ゆる これさ
行列揃へてぼつ立てろ ちんちちんちんつゝん
小腰《こゞし》を屈《かゞ》めて
振れやれ/\ しとゝんとろりとさ
お国境の松の木の盛り枝
危なふ 合点だ/\
【さっくり現代語訳】
立傘の準備は? オッケー!
台笠の準備は? オッケー!
よっしゃ行列を揃えて槍をおっ立てろ!
お国境の茂った松の木に槍が当たりそうで危ないぞ!
承知した! それなら腰をかがめて槍を振れ振れ!
【解説】
ジジに披露されているのは「槍踊り」という大名行列を模した踊りです。
現在も伝わっている「大原女」と「水仙丹前」いう歌謡を合わせたような歌詞になっています。
「~ぼっ立てろ ちんちちんちん~」でアレのことを想像してしまったのですが、私の心が汚れているからでしょうか?
③ヒゲ奴の動作とセリフ
【原文】
「静かに」
「やつ、くるり」
釣りりん[つるりん?]髭男、型付け[?]、「よいやさ」。
【さっくり現代語訳】
[ヒゲ奴のセリフ]「お静かに!」
釣りヒゲの男は、「やっ!くるりっ!」「よいやさ!」とポーズを決めます。
【解説】
「静かに」は「下に~下に~」と同じような、沿道の人たちに呼びかける言葉なのでしょうね。
挿絵に描かれている道具などは以下の通りです。
はい、ここでやっとタイトルに使われている「大鳥毛」が出てきましたよ♪
大名行列では、中間とか奴[やっこ]とか呼ばれる奉公人が、先に笠などをつけた槍を振って行進します。
髭奴が被っている笠がウサミミみたいでカワイイですね♪
挟み箱を持った奴もいますが、一人だけまさに奴凧[やっこだこ]のような姿の手ぶらな奴がいますね(笑)奴頭[やっこがしら]でしょうか?
行列に花を添える若衆[小姓]、春駒と呼ばれる作り物の馬に乗っています。
ちなみに、スズメは竹やぶに住むものなので、若衆や奴の着物には竹がデザインされています。
次回予告とくずし字クイズ
あれ?ジジが貰ったのは葛籠《つづら》じゃなくて???
ヒントっ!
三つ目コーナー
(あまりにもバレバレなので、気の毒で何も言えない。。。)
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