『大鳥毛庭雀』[『舌切り雀』]の続きだよ!
なんまいだ、なんまいだ!
※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して利用しています。
国立国会図書館デジタルコレクション - 大鳥毛庭雀 2巻
※画像はクリックすると拡大します。
①本文
【原文】
然《さ》しもの婆も、化け物に肝を冷やし、身の毛が弥立《よだ》つて恐ろしく思ふ所へ、凄《すさ》まじき蟒蛇《うハばみ》、只《たゞ》一呑《ひとの》みと来たりしかば、婆、一念発起して、一心に信心の心ざし。
頻《しき》りにして、仏神を念じける。
【さっくり現代語訳】
さすがのババも化け物に驚き、恐れおののいている所に、追い討ちをかけるように、巨大な蛇が現れ、今にもババを丸呑みにしようとします。
ババは、神仏を信仰する心に目覚め、ひたすら神仏に祈りました。
【解説】
ありゃあ、どうも知ってるお話と違って、なぜかウワバミ[大蛇]まで現れる始末。
このウワバミも、耳があって竜っぽいですね。
やっぱり、特別な動物は竜っぽく描かれる傾向があったようですね。kihiminhamame.hatenablog.com
②本文
【原文】
かゝる所に、紫雲《しうん》棚引《たなび》き、飛んで[?]制多迦童子《せふたかどうじ》[?]、忽然《こつぜん》と現れ給ひしかバ、化け物・蟒蛇、悉《こと/゛\》く消え失せける。
【さっくり現代語訳】
そこに、紫の雲が横に薄く長く漂って、制多迦童子《せいたかどうじ》[?]が突然飛んで現れ、化け物も大蛇も残らず消え失せました。
【解説】
この部分、かすれてるので判読が困難なのですが、たぶん制多迦童子のことを言ってるんだと思います。
でも、制多迦童子はここに描かれているような芭蕉扇みたいなのは持ってなかった気がしますが。。。
③本文
【くずし字クイズの答え】
なむあ◆ミた仏◆/\
【原文】
婆は奇異の思ひを成し、愈々《いよ/\》信心者《しん/゛\しや》にぞ成りにける。
「助け給へ、南無大慈大悲《なむだいじだいひ》の観音。南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。」
【さっくり現代語訳】
ババは神仏のご利益をありがたく思い、ますます信仰深い者になりました。
[ババのセリフ]「お助けください、慈悲深い観音様。なんまいだ、なんまいだ。」
【解説】
ありゃ、なんだか急に仏教説話みたいになってしまいましたね。
最初の方でジジがババに向かって、「やい、そこな邪見者め!仏法繁盛な慈悲な世の中に、さてさてようも惨い事したな!」って言ってたのが伏線になってたのですね。kihiminhamame.hatenablog.com
祈るババの上には竹林と可愛いスズメたちが♪
次回予告とくずし字クイズ
ジジババ、大ピンチ???
ヒントっ!
三つ目コーナー
僕もお経を唱えたらご利益があるかなあ。
おい、お経を唱えたら、化け物が消え失せるらしいから、お前の存在が消えてなくなるぞ!
しまった、オープニングで唱えちゃった! あ、だんだん体が消えていく! さような・・・
三つ目~~~っっっ!!!!
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