『大鳥毛庭雀』[『舌切り雀』]の続きだよ!
今回で最終回!!!
※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して利用しています。
国立国会図書館デジタルコレクション - 大鳥毛庭雀 2巻
※画像はクリックすると拡大します。
本文
【くずし字クイズの答え】
さ◆かへ◆け◆る◆こそ◆めてた◆けれ
【原文】
爺婆、愈々《いよ/\》、富貴《ふうき》の財に長く栄へけるこそ目出度けれ。
【さっくり現代語訳】
盗賊の手からも逃れた爺と婆は、竹筒の力によって、ますますお金持ちになり、末長く幸せに暮らしたのでした。
めでたし、めでたし♪
【解説】
長く栄えたと言っても、ジジとババですからねえ、寿命が(笑)
いや、この時代のジジとババだから、意外と若かったかも! 四十代とかかも!
めでたしで終わったのですが、何か釈然としないのはどうしてでしょうか?
千両箱を積み上げて金持ち自慢してるみたいで感じ悪いし、ジジもババも人相悪いままだし(笑)
まあ、上から見守るスズメが真ん丸でロゴマークみたいでカワイイから良しとしましょう♪
現代でも通用するデザインですね♪
、、、そういえば、すっかり存在を忘れていましたが、隣の奥さんって、何のために登場させたんですかね。。。
うーん、おそらく、隣の爺さん婆さんとかが悪さをする系のお話[『花咲か爺さん』とか]の要素が、書いてる途中でうっかり混入してしまったのではないかなと。
最後に気になるのは、二人ともホウキのようなもの持ってるので、これからシバキ合いが始まりそうな雰囲気がなきにしもあらず(笑)
次回はいつものようにリンクのまとめを載せて、このシリーズはおしまいです♪
【おまけ】出版目録
ちなみに、左ページは出版目録です。
ごちゃごちゃしてて、入力するのが面倒なので画像を拡大して手書きの文字を見てくださいな(笑)
「絵本 子《ね》の年新版目録」、つまりネズミ年の絵本の新刊目録というわけです。
作者や画家が活躍した期間や、この手の本が出版されていた期間はだいたい絞れるので、その期間のネズミ年といえば明和五[1768]年だと推測できるわけです。
また、この本のオリジナルの題簽《だいせん》[タイトルが書かれた紙]は失われているのですが、タイトルもこの出版目録から判明するわけです。
正確には『ジジとババが在《あ》ったとさ 大鳥毛庭雀《おおとりげにわすずめ》』というタイトルですね。
ちゃんと彫り師の名前まで書かれていますね。
出版者は「小間物屋伊兵衛[「○金」が屋号的なもの]」と「丸屋山本小兵衛[「○山」が屋号的なもので「丸小」が通称的なもの]」の二名が書かれていますが、扱いの大きさから丸小がメインで出版して小間物屋伊兵衛はサブ的な役割だったのでしょう。
画家は複数名書かれていますが、作家は一人しか書かれていないので、この目録に書かれている作品の作者は全て丈阿だということがわかります。
複数の画家でこれらの作品の絵は分担して描かれたのでしょうね。
なので、本文中に作家の名前は書かれていませんが、画家の名前は本文中にしっかり「富川房信」と書かれていたわけです。
ん?「八十六翁 丈阿」ってあるんで、丈阿さん、八十六歳!?
当時としてはかなりのご長寿ですね!
そりゃあ、こんな突っ込み満載な作品でも、責めれませんわ!
そのお歳で書けるというだけですごい!(笑)
輪っか山富三郎コーナー
また名前変わってる!
っていうか、このネタ分かる人いるの???
それより、君とからむのも飽きてきたから、そろそろ、君のコーナーも最終回でいいかな?
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