「青頭巾」[『雨月物語』より]の続きだよ!
北見花芽の夏バテも続いてるみたいだよ!
※この記事では、霞亭文庫の画像を適宜改変して利用しています。
霞亭文庫書誌詳細
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【くずし字クイズの答え】
僧のねふりをうかゞひて
しきりに齅(かぐ)ものあり。
【原文】
ありてこそ、客僧(きやくそう)をも過[誤](あやま)りつるなり。」
と語る。
快庵(くハいあん)、この物語を聞かせ給ふて、
「世には不可思議(ふかしぎ)の事もあるものかな。
凡(およ)そ人と生まれて、佛菩薩の教(おし)への廣大なるをも知らず、愚(おろ)かなるまま、慳[姧](かだま)しきまゝに世を終(をは)る者は、其の愛慾(あいよく)邪念(じやねん)の業障(ごうしやう)に欖[引か](ひか)れて、或いハ故[元](もと)の形(かたち)を現して恚[怒](いかり)を報(むく)ひ、或いハ鬼となり、蟒[蛟](ミづち)となりて祟(たゝ)りを為す例(ためし)、往古[古](いにしへ)より今に至るまで、算[数](かぞ)ふるに尽(つ)きし難し。
又、人、活[生](い)きながらにして、鬼に化(け)するもあり。
楚王(そわう)の宮人ハ蛇[大蛇] (をろち)となり、王含(わうがん)が母ハ夜叉(やしや)となり、呉生(ごせい)が妻女ハ蛾(が)となる。
又、古(いにしへ)、ある僧、卑[怪](あや)しき家に旅寝(たびね)せしに、其の夜、雨風激しく燈(ともし)さへ無き侘(わび)しさに、寝(い)も寝られぬを、夜更けて羊(ひつじ)の鳴(な)く声の聞こえけるが、頃刻[暫く](しばらく)して、僧の眠(ねぶ)りを伺(うかゞ)ひて、頻(しき)りに齅(か)ぐもの有り。
僧、異[怪](あや)しと見て、枕に置きたる禅杖(ぜんじやう)を
【さっくり現代語訳】
そういうわけで、お坊様を鬼と間違えたのでございます。」
と家の主人は語りました。
快庵禅師はこの物語を聞いて、
「世にも奇妙な物語はあるものですなあ。
そもそも、人間に生まれても、仏様の教えが広く大きいことを知らず、愚かで心がねじれたまま人生を終える者は、その愛欲や邪念という悪い行いが障害となって、死んだ後でも成仏できず、ある者はケダモノのような本性を表して怒りにまかせるままに暴れ、ある者は鬼や蛟(みずち)[蛇や竜のような姿をした想像上の動物]になって人に祟ったりすることが、昔から今まで数え切れないほどあります。
また、人は生きながらにして鬼になることがあります。
楚王の女官は大蛇になり、王含の母は夜叉になり、呉生の妻は蛾になりました。[中国の故事などによる]
また、昔、ある旅の僧が、粗末で怪しげな家で一晩泊めてもらいました。
その夜は風雨が激しく、灯火さえもない中で、寝ることが出来ないでいました。
夜が更けて、羊が鳴く声が聞えてきましたが、しばらくすると、僧が眠っている様子をうかがって、しきりに臭いをクンクン嗅ぐ者がいるのに気づきました。
僧は「これは怪しすぎる」と思い、枕元に置いておいたバールのようなものを
【解説】
主人の話が終わり、快庵禅師が説法を始めます。
前回がインパクト強めだったので、今回は一休みと言う感じです。
でも、最後の旅の僧についてのお話がちょっと気になるところで終わっていますが。。。
そもそも日本に羊が鳴く場所なんてあるの?って思いましたが、これも元ネタは、中国の故事のようです。
挿絵
【解説】
青頭巾の挿絵はこれだけです。
鬼になった住職が人を襲っている所ですね。
はい、怖いです(笑)
これと見間違えられるということは、快庵禅師も相当ボロボロだったのでしょうね(笑)
次回予告とくずし字クイズ
ヒントは軽めで。。。
三つ目コーナー
夏バテがひどいみたいだから、体力がつきそうな物を食べるといいよ!
あ、おいしそうなタコ、じゅる。
(北見花芽には三つ目がこう見えています。)
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