「青頭巾」[『雨月物語』より]の続きだよ!
誰か僕も愛してよ!
※この記事では、霞亭文庫の画像を適宜改変して利用しています。
霞亭文庫書誌詳細
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【くずし字クイズの答え】
其童児(わらハ)をやしなはざらましかば。あハれよき法師なるべき
ものを。
【原文】
徳(とく)の賢こかりしハ、仏に仕ふる事に志誠[真心](まごゝろ)を尽(つ)くせしなれば、其の童児(わらハ)を養ハざらましかば、哀れ良き法師なるべきものを、一度(たび)愛慾(あいよく)の迷路(めいろ)に入りて、無明(むめう)の業火(ごうくハ)の熾[盛](さか)んなるより鬼と化したるも、偏(ひとへ)に直(なほ)く逞(たくま)しき性(さが)の為す所なるぞかし。
心放[許](ゆる)せば妖魔(ようま)となり、収[修](をさ)むる則[時](とき)は仏果(ふつくハ)を得るとはハ、此の法師が例(ためし)なりける。
老納(らうのう)[僧が自分を指して言う言葉]もしこの鬼を教化(きやうけ)して、本源[元](もと)の心に還らしめなば、今宵の饗[主](あるじ)の報(むく)ひともなりなんかし」
と、尊き志を發[起](おこ)し給ふ。
荘主(あるじ)頭(かうべ)を畳(たゝミ)に摺(すり)て、
「御僧この事を為し給はゞ、此の国の人ハ浄土に生まれ出たるがごとし」
と、涙を流して喜びけり。
山里の宿り、貝(かひ)・鐘(かね)も聞こえず。
廿日[二十日](はつか)余りの月も出て、古戸の間[隙](すき)に漏(も)りたるに、夜の深きをも知りて、
「いざ休ませ給え」
とて、己(おのれ)も臥戸(ふしど)に入りぬ。
【さっくり現代語訳】
(住職が普段の)修行で得た人徳が素晴らしかったのは、仏様に心からお仕えしていたからです。
その少年にZokkon命(ゾッコン・ラブ)にならなければ[その少年を養わなかったら]、あああああ、良い僧侶であったでしょうに。
一度でも愛欲という迷路にハマってしまうと、煩悩(ぼんのう)の炎が激しく燃え上がり、鬼となってしまうのです。
つまり、一途に少年に思い入れすぎたがために、住職は鬼になってしまったのです。
うひゃひゃと欲望のまかせるままにすると妖魔となり、しっかりと修行をすれば仏の境地を得ることができるのです。
私がもしこの住職を ボコボコにシメたら 正しい教えに導くことができたら、今日のご主人のお・も・て・な・しのお返しにでもなるでしょう。」
と、快庵禅師はジャジャーンと崇高な決意を表明したのでした。
家の主人は、頭を畳にこすり付けてひれ伏し、
「お坊様がこの件を解決してくださったら、この下野の国の人々は、極楽浄土に生まれ変わったのも同然です。」
と涙を流して喜びました。
それにしても、この山里での一夜は、山寺があのような状態であるので、 ホタテ ホラ貝や鐘の音も聞えません。
下弦の月が出て、その光が古い戸の隙間から漏れているのが見え、ずいぶん夜も更けてしまったのが分かったので、
「それでは、お休みなさいませ。」
と主人は席を立ち、寝室に入ったのでした。
【解説】
快庵禅師は愛欲が住職を鬼にしたと言ってますが、少年が死ななければただの生臭坊主で終わってたんでしょうね。
少年が大人になったら住職も興味を示さなくなったでしょうし。。。
それにしても、まだ何も解決してないのに涙を流して喜ぶ主人はちと気が早すぎる気がしますがね。
快庵禅師の説法が長かったのですが、いよいよ次回から住職との対決が始まるようです。
次回予告とくずし字クイズ
それほど難しいカナは使われていないので、ノーヒントで!
三つ目コーナー
id:flemy さんが北見花芽の願いを短冊に書いてくださりました♪
ありがとうございます♪
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