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快庵禅師と鬼の住職のファーストコンタクトの巻 ~「青頭巾」(『雨月物語』より)その8~

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「青頭巾」[『雨月物語』より]続きだよ!

快庵禅師がついに山寺乗り込んでいくよ!!!

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※この記事では、霞亭文庫の画像を適宜改変して利用しています
霞亭文庫書誌詳細
※画像はクリックすると拡大します。

【くずし字クイズの答え】

眠蔵(めんざう)より痩槁(やせがれ)たる僧の漸(よハ)/\とあゆミ
出。

【原文】

 山院、人留まらねば、楼門(ろうもん)は荊棘(うばら)生い掛ゝり、経閣(きやうかく)も虚(むな)しく苔(こけ)蒸[生](む)しぬ。
 蜘[蜘蛛]、(くも)網(あミ)を結びて、諸佛を繋(つな)ぎ、燕子(つばくら)の糞(くそ)、護摩(ごま)の床(ゆか)を埋(うず)ミ、方丈(ほうじやう)廊房(らうばう)全て物凄(すざ)まじく荒れ果てぬ。
 日の影、申(さる)に傾(かたぶ)く頃、快庵禅師、寺に入りて錫(しやく)を鳴(なら)し給ひ、
「編参(へんさん)の僧、今夜(こよい)ばかりの宿を貸し給へ」
 と、数多(あまた)度(たび)叫(よ)べども、更に応(こた)へなし。
 眠蔵(めんざう)より痩(や)せ槁[枯](が)れたる僧の、漸[弱](よハ)/\と歩ミ出で、咳(からび)たる聲して、
「御僧ハ何地(いづち)へ通るとてこゝに来るや。
 此の寺は、さる由縁(ゆゑ)ありて、かく荒(あ)れ果て、人も住まぬ野らとなりしかば、一粒(りう)の斎糧(ときりやう)もなく、一宿[夜](ひとよ)を貸すべき謀(はかりごと)もなし。
 早く里に出よ。」
 と言ふ。
 禅師言ふ。

「これは美濃の国を出て陸奥(みちのく)へ去(い)ぬる旅なるが、この麓(ふもと)の里を過ぐるに、山の霊[形](かたち)、水の流れの面白さに思わずもこゝに詣ず。
 日も斜(なゝ)めなれバ、里に

【さっくり現代語訳】

山寺人が誰もいなくなったので、二階建ての門には雑草が生い茂り、経典を収める施設もすっかり生(む)してしまっています。

クモの巣仏像仏像の間にかかり、ツバメのフン護摩の床一面を埋めています。
住職の居住スペース廊下も全てが、とんでもなく荒れ果てています。

太陽西の方に傾く頃、快庵禅師この寺にやって来て、 バールのようなもの 錫杖(しゃくじょう)を鳴らし、「 佐川急便で~す 諸国行脚の僧でございますが、一晩泊めていただけないでしょうか!」と何度も叫んだのですが、全く返事がありません。

しかし、しばらくすると寝所から痩せ細った住職が、ヨタヨタと歩み出て、カスッカスの声で、

あなたどこへ行くのが目的で、こんな所を通るのですかな?

この寺ワケあってこのように荒れ果て人も住まぬ野原のようになったので、米一粒の食料もなく、あなたを泊める用意も何もありません。

早く里の方に行きなされ。」

と、言いました。

快庵禅師は、

美濃の国から みちのく一人旅 東北へ行く旅をしているのですが、ここの麓(ふもと)の里を通っている時に、風流この山の姿清らかな水の流れが目に入りまして、ついついを登ってこのお寺まで来てしまいました。

日も傾いてしまったので、

【解説】

ついに快庵禅師山寺にやってきました。

鬼の住職がいきなり快庵禅師に襲い掛かって、バトルでも始まるのかと思いきや、意外と話が通じそうな感じですね。

ちょっと拍子抜けです(笑)

それにしても、美濃から東北に行くというのは本当ですが、快庵禅師「思わず来ちゃった(はあと)」というバレバレの嘘をついて中に入ろうとしています。

果たしてうまくいくのでしょうか?

次回予告とくずし字クイズ

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住職怒ってらっしゃるようですが?

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この三文字だけ漢字で、残りはカナです♪

三つ目コーナー

本文中に出てきた錫杖というのは、お坊さんがよく持ってるジャラジャラしたのが付いてるね。

こういうやつだよ~♪

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だから、背景をなんとかしろと。

 

 

 

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