「青頭巾」[『雨月物語』より]の続きだよ!
今回を含めて、あと三回で終わりだよ!
※この記事では、霞亭文庫の画像を適宜改変して利用しています。
霞亭文庫書誌詳細
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【くずし字クイズの答え】
生死をしらざれば。疑ひを恐れて人/\山にのぼる事を
いましめけり。
[くずし字クイズの補足説明]
【原文】
生死を知らざれば、疑ひを恐れて、人/\、山に上る事を戒(いまし)めけり。
一年(ひととせ)速(はや)く経ちて、向かふ年の冬十月[神無月](かミなづき)の初旬(はじめ)、快庵大徳、奥路(おうろ)の帰るさに又、こゝを過ぎ給ふが、かの一宿[一夜](ひとよ)の主(あるじ)が荘[家](いへ)に立ち寄りて、僧が消息(せうそこ)を尋ね給ふ。
荘主(あるじ)喜び迎へて、
「御僧の大徳によりて、鬼再び山を下らねば、人皆、浄土に生まれ出たるごとし。
されど、山に行く事ハ恐ろしがりて。一人として上る者無し。
さるから、消息(せうそこ)を知り侍らねど、など、今まで活[生](い)きては侍(はべ)らじ。
今夜[今宵](こよひ)の御泊(とま)りに、かの菩提(ぼだい)を弔(とぶら)ひ給へ。
誰も随縁し奉らん。」
と言ふ。
禅師言ふ。
「他[彼」(かれ)善果(ぜんか)に基(もとづき)て遷化(せんげ)せしとならば、道に先達(せんだち)の師とも言ふべし。
又、活[生](い)きてある時は、我がために一個[一人](ひとり)の徒弟(とてい)なり。
いづれ消息(せうそこ)を見ずばあらじ。」
とて、復[再](ふたゝ)び山に上り給ふに、いか
【さっくり現代語訳】
(住職の)生死が分からなかったので、「生きてるかも!」と疑って、人々は誰も山に上ろうとはしませんでした。
それから一年が早くも経ちまして、翌年の冬の十月の初旬になりました。
快庵禅師は、東北から戻る途中に、またこの里を通ることになったので、例の一晩過ごした家に立ち寄って、主人に住職がどうなったか尋ねました。
主人は喜んで快庵禅師を迎えて、
「お坊様が大きな徳を持っておられたおかげで、鬼が再び里に下りてくることはなくなりまして、里人はみんな、
「まるで極楽浄土に生まれ変わったみたいに幸せで、平和な日々だ!」
と喜んでおります。
ですが、山寺に行くのはみんな怖がって、誰一人として山に上る者はいません。
ですので、住職がどうなったかは分からないのですが、まあ、今日まで生きてはおりませんでしょう。
今夜のお泊りのついでに、住職の冥福をお祈りください。
我々はお坊様を深くお慕い申し上げております。」
と言いました。
快庵禅師は、
「住職が句の意味を理解して往生できたのなら、私より先にあの世に行ったことになるので、師匠とでも言うべき存在となるでしょう。
もし、生きていたとしたら、私の弟子の一人として、更に教え導かなければならないでしょう。
どちらにしても、どうなったか確認しなければなりません。」
と言って、再び山に上ったのでした。
【解説】
この話の発端を覚えてますか?
そうです、快庵禅師は東北へ向かう途中でこの里に寄ったのです。kihiminhamame.hatenablog.com
そして、一年後東北からまた別の所にでも行く途中で、再びこの里を通ったというわけです。
たぶん、住職がどうなったか気になって、わざわざこの里に寄ったのでしょうね。
なにしろ諸国行脚の修行僧なので、ルートを決めるのは自由ですものね。
さあて、住職はどうなっているのか?
ドキドキしますねえ♪
次回予告とくずし字クイズ
住職は生きているのでしょうか?死んでいるのでしょうか?
今回は普通にヒントを出します(笑)
三つ目コーナー
僕も諸国修行行脚しようかな。
いやいや、その格好じゃ逃亡犯にしか見えない。。。
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