「青頭巾」[『雨月物語』より]のリンクのまとめだよ!
完結するまで一ヶ月以上かかって、意外と長丁場だった!
「青頭巾」考
まず、何故、快庵禅師が住職に頭巾を与えたかと言うことですが、自分が身に着けている物を授けることによって、相手にパワーを与えようとする行為は、今でもありますよね。
快庵禅師の徳を司(つかさど)る頭に一番近い所にある物なので、頭巾を授けたのでしょう。
問題は何故、頭巾の色が「青」だったかということです。
実は秋成が元にした『水滸伝』の一節では、登場人物の魯智深が被っていたのは、黒頭巾になっています。
それをわざわざ青頭巾に改変しているのです。
そもそも単純に「青頭巾」って響きが怖いですよね。
「黒頭巾」だとダーティーだし、「紫頭巾」だとゴージャスだし、「黄頭巾」は派手だし、「赤頭巾」だとカワイイし、「桃頭巾」はエロいし、「緑頭巾」はエコだし、消去法で考えると、怪談話のタイトルとしては「青頭巾」が一番しっくりくることがわかります。
ほら、グリム童話にも、「青髭」って恐ろしいお話がありますものね。
で、更なる疑問は、どちらも読みは「あお」なのですが、快庵禅師が被っている時は「紺染めの巾」、住職が被ったら「青頭巾」と字が使い分けられていることです
「青」という色は「青空」のような爽やかなイメージがある反面、冷たくて恐ろしいイメージも持ち合わせています。
このブログでおなじみの鳥山石燕が描いた妖怪の中にも「青行燈」「青鷺火」「青坊主」「青女房」と名前に「青」がつく物が少なからず見られることからも、それがわかるでしょう。
さすがに快庵禅師が被っている時は妖怪のイメージの「青」ではなくて、「紺」の字を使ったのではないかと。
「紺」だと逆に高尚なイメージですもんね。
最後は鬼の住職が被っていたので「青」というわけです。
で、締めに声を大にして言っておきます、
「青頭巾」のお話の解釈には
諸説ありま~す!!!
三つ目コーナー
では、最後に三つ目に快庵禅師のコスプレをしてもらって、終わりにしたいと思います。
みなさんが思ってた頭巾とはちょっと違うかもしれませんね。
[年の頃、五十路に近き老僧の、頭に紺染(あおぞめ)の巾を被(かず)き、
身に墨衣(すみごろも)の破(やれ)たるを着て、包みたる物を背に負いたるが、
杖を持て差し招き、]
よっ!禿驢(くそぼうず)っ!
◆北見花芽のほしい物リストです♪ ご支援よろしくお願いします♪
岩崎 冷水筒 横にも置ける フェローズ 縦横ハンドルピッチャー 2.2L ネクスト K-1297NB
- 出版社/メーカー: 岩崎
- 発売日: 2015/03/21
- メディア: ホーム&キッチン
- この商品を含むブログを見る
◆オススメ書籍 私もちょっとだけ書いてます♪
西鶴作品が現代語でわかりやすく読めます♪
江戸の男色文学を紹介するエッセーなどが掲載されています♪
◆北見花芽 こと きひみハマめ のホームページ♪
◆はてなIDをお持ちでない方も、拍手で応援していただけたら嬉しいです♪
(コメントもできます)
◆ランキング参加してます♪ ポチしてね♪
◆よろしければ はてなブックマーク もお願いします。憧れのホットエントリー(笑)