『男色比翼鳥』巻1の2の続きだよ♪
奥村幸手軒の男色賛美の続きだよ!
※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しております。
男色比翼鳥 6巻. [1] - 国立国会図書館デジタルコレクション
※画像はクリックすると拡大します。
【翻刻】
なる思案(しあん)ゆへかゝるあさましき諸分末代迄のなをり
なり然るに若道ハ見事成る色にて左様(な)しつとねた
ミもなく念者(ねんじや)ハ若衆のかハゆさにハ寒風(かんふう)炎天(ゑんてん)をも
いとハず火の中水の中をも構ハず義理にハ命も
すていきぢにハうでをもつく若衆ねんゆうのいと
しさあまりて爪(つめ)をもはなし指(ゆひ)をも切寔(まことの)親兄
弟より大切(たいせつ)にし其身ハ兄分に任せ契致(ちけい)のわり
なきを外より見るも心よしそれに貴殿なかゝるいき
ぢを知らまゆみ引手になびく女道にかたむき男
色をおもひきれとハ曲もなしと眼(まなこ)をいらゝげ大聲(ごへ)
あけ十面つくつて申けるを両人から/\と笑扨々さほど迄
少年に心をよせてある事ない事べんにまかせお
※赤字が前回のくずし字クイズの答えです。
【現代語表記】
なる思案(しあん)故、かかる浅ましき諸分け、末代迄の名折りなり。
然(しか)るに、若道は見事なる色にて、左様な嫉妬(しっと)、妬(ねた)みもなく、念者(ねんじゃ)[兄分]は若衆[弟分]の可愛ゆさには、寒風(かんぷう)、炎天(えんてん)をも厭(いと)わず、火の中、水の中をも構わず、義理には命も捨て、意気地(いきぢ)には腕をも突く。
若衆、念友の愛しさ余りて、爪(つめ)をも離し、指(ゆび)をも切り、真(まこと)の親兄弟より大切(たいせつ)にし、其の身は兄分に任せ、致契(ちけい)の理(わり)無きを外より見るも心良し。
それに貴殿な、かかる意気地を知ら真弓[「知らぬ」と「白(しら)真弓」をかけた言葉遊び]、引く手に靡(なび)く女道に傾き、男色を思い切れとは曲も無し。」
と、眼(まなこ)を苛(いらら)げ、大声(ごえ)上げ、十面[渋面]作って申しけるを、両人からからと笑い、
「扨々、さほど迄少年に心を寄せて、ある事ない事、弁に任せお
【さっくり現代語訳】
これらは全て女の浅はかな考えが原因で、このような愚かな事態となり、末代までの恥となるのです。
それに比べて、男色は素晴らしい色道で、女色のような嫉妬(しっと)や妬(ねた)みもなく、兄分は弟分が可愛いから、弟分のためなら寒風や炎天も物ともせず、火の中や水の中に入るのも構わず、義理を守るためには命をも捨てる覚悟で、弟分への不変の愛を示すために腕を刃物で突いたりもします。
弟分も兄分が愛しすぎて、同様に思いを示すために爪を剥がしたり、指を切ったりし、実の親兄弟より兄分のことを大切にし、その身を兄分にゆだねます。
このような素晴らしい男色関係を、外から見ているだけでも気分が良くなります。
あなた方が、このような男色の心意気を知ってか知らずか、女色になびいて男色をやめろなどと言うのは、バカバカしいったらありゃしない!」
と目を吊り上げて、大声を上げ、しかめっ面をして言いました。
山田半平と市川源蔵の二人は、からからと笑い、
「さてさて、それほどまで少年に心を寄せて、ある事ない事、口から出まかせで
【解説】
愛情を示すために自分の体を傷つける行為は、男同士だけではなく、男女間でもよくありました。
それに関するお話もたくさんあるので、機会があれば取り上げたいと思います。
やっと奥村幸手軒の話が終わりました!
そして、巻1の2は次回で終わりです!
次回予告とくずし字クイズ
巻1の2の最後の部分ですが。。。
三目黄門(みめこうもん)
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