『男色比翼鳥』巻6の13の続きだよ!
取り上げて欲しい作品やテーマは引き続き募集中だよ!
※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しております。
男色比翼鳥 6巻. [6] - 国立国会図書館デジタルコレクション
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【前回のくずし字クイズの答え刻】
二人の歒のおそろしくまた
村雲一平次と名(けめう)あらため兵法(ひやうほう)の指南(しなん)して世を我(わ)がまゝに
くらしける
【原文】
ど心は昔に勝る無道者。
二人の歒の恐ろしく、また村雲一平次と仮名(けめう)改め、兵法(ひやうほう)の指南(しなん)して世を我(わ)が侭(まゝ)に暮らしける。
酒(さけ)は盃(さかづき)の大き成るに従い、善悪(ぜんあく)ハ友(とも)による習い。
弟子数多(あまた)ある中に、鷲尾牛助(わしのをうしすけ)・犬塚馬左衛門(いぬづかばざゑもん)・立山熊五郎(たてやまくまごろう)抔[等](など)と言へる近邊(きんぺん)の溢(あぶ)れ者、此所に會合(くわいごう)し、昼夜(ちうや)酒宴(しゆゑん)を怠らず。
どら者ゝ交ハり、頼ミ有る中の衆道(しゆどう)哉(かな)。
大笑(わら)ひして騒ぎける。
時に熊五郎罷り出て、
「此の頃見慣れぬ都若衆、念者(ねんじや)らしき侍(さぶらひ)二人、惣髪(そうがミ)なる男、如何(いか)様訳(わけ)有る者共打ち見へ、子細ありげに毎日夕顔(ゆうがほ)の観音(くわんをん)へ参詣(さんけい)す。
某(それがし)好きの道とて、彼等が跡を慕ひ見るに、牛嶋の辺(ほとり)に住む者と見へたり。
此の少人を奪い取り、酒盛りの相手に為さばや。」
と云ひも敢(あ)えぬに、一平次心良げに打ち笑み、
扨々(さて/\)
【さっくり現代語訳】
[濁った心も澄み渡るという隅田川の辺りで暮していましたが、]心は澄むどころか前よりも非道な者になっていました。
それでも二人の敵が恐ろしいので、村雲一平次(むらくもいっぺいじ)とまた名を改めて別人となり、武術を教えて好き勝手に暮すのでした。
酒が盃の大きさに合わせて注がれる量が変わるように、人の善し悪しも付き合う友が善人か悪人かによって決まるものです。
一平次には多くの弟子がおり、中でも鷲尾牛助(わしのおうしすけ)・犬塚馬左衛門(いぬづかばざえもん)・立山熊五郎(たてやまくまごろう)などという近辺のアウトローたちが、一平次の元に集まり、毎日のように酒宴を催していました。
この道楽者たちの集まりは、男色を好む者の集まりでもありました。[?]
大笑いして騒いでいる時、熊五郎が進み出て、
「最近、見慣れぬ都若衆と、兄分と思われるサムライ二人と、オールバックのロン毛の男が、どうもワケありな様子で、毎日夕顔観音に参詣しております。
私は男色を好むので、彼らを尾行しますと、牛島の辺りに住む者だとわかりました。
この都若衆を奪い取って、酒盛りの相手にしましょう。」
と言い終わらないうちに、一平次は機嫌よく笑って、
「さてさて、
【解説】
あらあら、五人が見つける前に、先に一平次たちに存在を知られてしまったようです。
これは大ピンチですが、どうやら一平次はこの連中が自分を敵と狙う者だとは気づいていないようです。
果てさてどうなるのか?
というか、やっぱり男色がからんでくるのですね(笑)
次回予告とくずし字クイズ
お、久々に登場のようです♪
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まあ、三つ目コーナーはお休みと言うより、ネタ切れなんだけどね。
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