『亀山人家妖』の続きだよ!
蔦屋さん、僕にも作品の依頼してくれないのかな?
喜三二[平沢常富]作、北尾重政 画『亀山人家妖(きさんじんいえのばけもの)』天明7 [1787]年刊
※この記事では国会図書館デジタルコレクションの画像を適時改変して使用しています。
絵本国土産 - 国立国会図書館デジタルコレクション
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【前回のくずし字クイズの答え】
耕書堂の主人三月◆までまちけれとも◆さたなければ◆
四月五月の◆ころだん/\◆さいそくすれ◆
とも六月◆になりて◆も七月◆になりても
【原文】
耕書堂の主人[蔦屋のこと]、三月迄待ちけれども沙汰なければ、四月、五月の頃、段/゛\催促すれども、六月になりても、七月になりても、「まだ案じが無い」とずるけける故、八月の頃ハ大癇癪(だいかんしやく)になりて、
「来年新板の外題(げだい)披露の時節ニなれば、せめて外題にても極(きハ)むべし。」
と責める。
『□□□□□』 上中下 喜三二作
『面向不背(めんこうふはい) 御年玉(おとしだま)』 上中下 萬象亭作
『芝全交智恵之程(しバぜんこうがちゑのほど)』 上下 芝全交作
『日本一癡鑑(につぽんいちあほうのかゞミ)』 上下 好町作
『自笑請合本八文字(じせううけあいほんはちもんじ) 正札附息質(しやうふだつきむすこかたぎ)』 上中下 三和作
『三筋緯客氣植田(ミすじだちきやくのきうへだ)』 上中下 京傳作
「外題を書く所を空(あ)けておきました。」
「外の写本は早(そう)ニ[?]揃ひ、板も出来上がりました。
これ迄、化け物の御作ハ御座りませぬ。
何ぞ化け物ニ良いのハ御座りますまいか。
此の晦日(ミそか)迄に是非お頼ミ申し上げます。」
「私(ワたくし)はちよつと御手伝いに出ましたばかり。
草紙の趣向の垣根の外で御座ります。」
「化け物で一ツ案じてミましやう。
まづ、外題ハこうでも出して置かふ。」
『亀山人家妖(きさんじんいへのばけもの)』
「これハ本(ほん)の見ず転[不見転(みずてん)]だ」
【さっくり現代語訳】
蔦屋は、三月まで待っていましたが、何の音沙汰も無いので、四月、五月の頃から少しずつ催促しましたが、六月になっても、七月になっても、「まだアイデアが出てこない」と怠けているので、八月の頃になると激おこぷんぷん丸になって、
「来年正月の新刊タイトルの発表の時期になったので、せめてタイトルだけでも決めなされ!」
と責め立てました。
『□□□□□』 上中下 喜三二作
『面向不背(めんこうふはい) 御年玉(おとしだま)』 上中下 萬象亭作
『芝全交智恵之程(しばぜんこうがちえのほど)』 上下 芝全交作
『日本一癡鑑(にっぽんいちあほうのかがみ)』 上下 好町作
『自笑請合本八文字(じしょううけあいほんはちもんじ) 正札附息質(しょうふだつきむすこかたぎ)』 上中下 三和作
『三筋緯客氣植田(みすじだちきゃくのきうへだ)』 上中下 京伝作
蔦屋「タイトルを書くスペースをあけておきました。」
蔦屋「他の方の原稿はもう揃っていて、版木も出来上がっております。
ここまでまだ化け物の話がないので、どうか化け物の話で良いのがありましたら。
今月末までにぜひともお願いします。」
?「私はちょっと紙を持つお手伝いに出てきただけです。
この話の内容とは関係がない者でございます。」
喜三二「化け物の話を一つ考えてみましょう。
まず、タイトルはこうとでもしておきましょうか。」
『亀山人家妖(きさんじんいえのばけもの)』
喜三二「まあ、このタイトルはテキトーにつけたんですがね。」
【解説】
紙に書かれている作品は実際に同時刊行された作品です。
はい、ここでもちゃっかり宣伝しています(笑)
左端に「お手伝いにきただけ」と謎の人物が書かれていますが、家紋まで書かれているので、当時の読者は誰だかわかったのでしょうね。
この作品の絵師の北尾重政ですかねえ?ちょっと誰だかわかりません。。。
それにしても、翌年の正月用の新刊本は、もう八月には印刷が出来る状態だったのですね。
思ったより早くから準備が整っていたみたいです。
蔦屋は怒ってる割には穏やかな口調です。
それにしても喜三二さん、タイトルだけ適当に考えて、大丈夫かしらん?
次回予告とくずし字クイズ
あらあら、喜三二さん、おねむですか?
三つ目コーナー
ねえ、ねえ、僕のBL本の締め切りはいつなの?
うん、締め切りなんか無いし、そもそも企画そのものが無いよ(満面の笑み)
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