『亀山人家妖』の続きだよ!
ついに化け物が登場したみたいだけど???
喜三二[平沢常富]作、北尾重政 画『亀山人家妖(きさんじんいえのばけもの)』天明7 [1787]年刊
※この記事では国会図書館デジタルコレクションの画像を適時改変して使用しています。
絵本国土産 - 国立国会図書館デジタルコレクション
※画像はクリックすると拡大します。
【翻刻】※ 赤字が前回のくずし字クイズの答えです。
喜三二◆おもひ◆つきたる◆ばけ物◆三人あら◆ハれ出◆たる所ねつ◆
からおもしろ◆くもなん◆とも◆なし
△七十のおきなの化物
さくしや/\◆とうたハれて◆あんまり◆ちへがねえ
▲一本◆あし◆一ツまな◆この◆ばけ◆もの
いかさまそん◆な手でハゆく◆まい車がゝで◆なくてハあるべ◆かゝりだ
△口ハミゝのねまで◆さけたばけもの
ワたくしハ此ごろ迄◆くるハかゝりており◆やした
こいつも◆いかぬはやく◆きへろ/\
【現代語表記】
喜三二、思い付きたる化け物、三人現れ出たる所、根っから面白くも何とも無し。
△七十の翁(おきな)の化け物
「作者作者と謳(うた)われて、あんまり智恵が無(ね)え。」
▲一本足、一つ眼(まなこ)の化け物
「如何様(いかさま)そんな手では行くまい。
車懸(が)かりでなくては、あるべかかり[ありべかかり]だ。」
△口は耳の根まで裂けた化け物
「私(わたくし)は此の頃迄、廓(くるわ)かかりでおりやした。」
「こいつも行かぬ。早く消えろ消えろ。」
【さっくり現代語訳】
喜三二が思いついた化け物が三人現れましたが、全く面白くも何ともありません。
七十歳の爺さんの化け物
「作者様、作者様、とおだてられているが、喜三二はあまりにも知恵がないからなあ。」
片足片目の化け物
「喜三二も、いつまでもそんな方法で創作していては、上手く行くはずがない。
車懸(が)かり[ 次々と新しい手を繰り出すこと ]じゃなきゃいけないのに、ありべかかり[ ワンパターン ]だ。」
口が耳まで裂けた化け物
「私は最近まで廓(くるわ)かかり[ 遊郭で勤めること ]でした。」
喜三二
「どいつもこいつも気に入らねえ! とっとと消え失せろ!」
【解説】
登場した化け物は、おそらく実在の歌舞伎役者や演目をディスっているのではないかと思われます。
ちょっとこの時期の歌舞伎について詳しくないので、どの事を言っているのかは、今回は断定できていません。
継続調査です。。。
「七十の翁の化け物」はおそらく、年を取っても女形をしていた役者のことでしょう。
「一本足、一つ眼の化け物」は、着物に「山本」と書いてあるように、片目片足の山本勘助を演じた役者のことでしょう。
「口は耳の根ねまで裂けた化け物」は、歌舞伎では山姥が口が裂けた姿で演じられています。
遊女が山姥になるという趣向の芝居があったようなので、その役を演じた役者ではないかと。
まあ、ここでは喜三二はそのディスった役者たちに、逆にディスられているという構図になっているわけですが(笑)
次回予告とくずし字クイズ
喜三二の所に、誰か訪ねてきたようですね。
三つ目コーナー
僕とはちょっと違うけど、一つ目が出てきて嬉しいよ♪
じゃあ、次はいよいよ三つ目が登場かな♪
まさか、間違っても三つ目が出てくる作品をセレクトするわけないじゃん(満面の笑み)
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