『亀山人家妖』の続きだよ!
僕も色男だよね?
喜三二[平沢常富]作、北尾重政 画『亀山人家妖(きさんじんいえのばけもの)』天明7 [1787]年刊
※この記事では国会図書館デジタルコレクションの画像を適時改変して使用しています。
絵本国土産 - 国立国会図書館デジタルコレクション
亀山人家妖 3巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
※画像はクリックすると拡大します。
【前回のくずし字クイズの答え】
すけさん◆ちよつとマア御見なんし◆
かたきしワたしら◆にやァ物も◆おいゝなん◆せん
【原文】
岡持(おかもち)、大己(おおうぬ)ニなりたるを、瀬沢(せざハ)を始め、皆々可笑(おか)しがりて云ひ合ハせ、皆/\惚れたる体(てい)に狂言を吹つ掛け[書かけ?]ければ、愈々(いよ/\)己(うぬ)になりて、とんだ高慢(かうまん)[傲慢(がうまん)?]を言ふ。
「好成(すけなり)さん。」
「こつちへお向きなんし。」
「何故(なぜ)お前(めへ)方はその様(やう)ニ打たせる。」
「ちよつと耳を御出しなんし。」
「好(すけ)さん、ちよつと、まあ、御見なんし。
かたきし私等(ワたしら)にやァ、物もお言ゝなんせん。」
「お前(めへ)方は何か面白(おもしろ)さうだね。」
「いつて[?]焦(ぢ)れつていね。」
初人(はつんど)、留山(とめやま)、障子(せうじ)の外より透見(すきみ)をし、可笑(おか)しがる。
「真の色男の気取りだか、良(い)ゝね。」
【さっくり現代語訳】
岡持(おかもち)が、大いに自惚(うぬぼ)れているのを、瀬沢(せざわ)を始めとした遊女たちは皆おもしろがりました。
遊女たちは申し合わせて、みんなが岡持に惚れているような演技をした所、岡持はますます自惚れて、上から目線で物を言います。
遊女「好成(すきなり)[岡持]さ~ん♪」
遊女「こっちをお向きになって♪」
岡持「何でお前さんたちはそんなにも俺に惚れてるんだ?」
遊女「耳掃除をして差し上げるから、ちょっと耳をお出しになって♪」
遊女「好成(すきなり)[岡持]さん、ちょっとこっちもご覧になって♪
私なんかにゃ、何もおっしゃらないんですもの♪」
岡持「お前さんたちは、何だか楽しそうだね?」
遊女「んもう、じれったいですわ♪」
初人(はつんど)と留山(とめやま)は、障子の隙間から中の様子を覗(のぞ)き見して、面白がります。
留山「本当に自分が色男だと思ってるみたいだね。いい気なもんだね。」
【解説】
岡持さん、遊女たちにいいように、もてあそばれているようですね。
ここに急に出てきた初人(はつんど)さんは、おそらく枡人(ますんど)さんの間違いだと思います。
枡人(ますんど)さん着物の文字が「人」で、ここの遊女の着物の文字も「人」ですし。
別人だったら違う文字を使うと思います。
「初(はつ)」なんとかっていう遊女も多くいたので、なんかごっちゃになったんでしょうね。
そもそも、「すきなり」さんも下巻から「すけなり」さんになってますし。
名前の間違いはこの時代の作品ではよくあることです。
やっぱり「好成(すきなり)さん」というのが、岡持さんの遊郭でのニックネームのようですね。
遊郭の中ではお客の名前を本名では呼ばずに、ニックネームで呼ぶ習慣がありました。
次回予告とくずし字クイズ
岡持さん、他の遊女にも惚れてしまったようで、ヘンテコに見えてた姿が???
三つ目コーナー
「三つ目ちゃん大好きっ♪」てコメ、何件来たかな? ドキドキ。
この記事を書いている時点で5件だよ(満面の笑み)
◆北見花芽のほしい物リストです♪ ご支援よろしくお願いします♪
日東紅茶 DAY&DAY ティーバッグ 100袋入り ←商品購入はこちらから♪
桂花陳酒 麗紅(リーホン) 500ml ←商品購入はこちらから♪
ぺんてる 筆ペン 顔料中字 カートリッジセット AMZ-XFP5M-R ←商品購入はこちらから♪
岩崎 冷水筒 ブルー 2.2L タテヨコ・ハンドルピッチャー ネクスト K-1297NB ←商品購入はこちらから♪
JVC グミホン ステレオミニイヤホンHP-F140-W ホワイト & HP-F140-B ブラック ←商品購入はこちらから♪
◆オススメ書籍 私もちょっとだけ書いてます♪
西鶴作品が現代語でわかりやすく読めます♪
江戸の男色文学を紹介するエッセーなどが掲載されています♪
◆北見花芽 こと きひみハマめ のホームページ♪
◆はてなIDをお持ちでない方も、拍手で応援していただけたら嬉しいです♪
(コメントもできます)
◆ランキング参加してます♪ ポチしてね♪
◆よろしければ はてなブックマーク もお願いします♪ バズりたいです!w