『亀山人家妖』の続きだよ!
あ、岡持さん、元の顔に戻った?!
喜三二[平沢常富]作、北尾重政 画『亀山人家妖(きさんじんいえのばけもの)』天明7 [1787]年刊
※この記事では国会図書館デジタルコレクションの画像を適時改変して使用しています。
絵本国土産 - 国立国会図書館デジタルコレクション
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【前回のくずし字クイズの答え】
岡持◆ハね入◆たる◆ふりで◆ひやう◆
ぶの外◆にて◆さん/゛\◆にそし◆られ◆しを◆きゝ
【原文】
岡持(おかもち)ハ寝入りたる振りで屏風の外にて散/゛\に謗(そし)られしを聞ゝ澄まし、我ながら我が身に愛想(あいそう)尽き、今迄色男と思ひしも一度に年の寄りたる心地。
元ハ釣りから起こつた事なれば、浦島が子の縁も有り。
亀にも縁有る亀山人(きさんじん)。
三人寄れば紋所も[「三人寄れば文殊の智恵」とかけた。遊女が寄ってたかって言いたい放題な事を指すか?喜三二が三つの名を持つ事を指すか?]、ハテ、変わつた事に成れバ、成る物じやナア、
としてハ[?]、傾城(けいせい)[遊女]の顔が差し詰め鬼の顔ニ見へる所なれども、なんぼ悪く言ハれても、まだ贔屓(ひいき)な心から、やつパり良い女と見へるも手前勝手なるべし。
今迄悪く言ゝし新(しん)[若い女性]たち、大凹(へこ)ミになる。
「今のを皆(みんな)聞かしつたそうだよ。どうせうね。」
「せう事がおつせん。」
【さっくり現代語訳】
岡持(おかもち)は寝たフリをして、屏風の外で遊女たちが散々ディスってるのを耳を澄まして聞きました。
岡持は、自分で自分に愛想を尽かしてしまい、さっきまで色男だと思っていたのに、一気に年を取った気分になりました。
元々は置いてけ堀での釣りから始まった出来事なので、浦島太郎と釣りつながりで老けてしまったということでしょうか。
浦島太郎と言えば亀、岡持には亀つながりの亀山人(きさんじん)という別名があります。
さて、ここで岡持から別名の亀山人を名乗ることにしましょうかね。
こんな悪口を言われては、遊女たちの顔も鬼のように見えるはずですが、いくら悪口を言われても、まだ惚れた心が残っているので、やっぱり良い女のままに見えるのは、なんとも自分勝手なことですこと。
さっきまで岡持の悪口を言っていた遊女たちは、岡持が聞いていたことを知り、大いに落ち込みました。
留山(とめやま)「悪口を全部聞いてらっしゃったそうだよ。どうしましょうかね。。。」
枡人(ますんど)「どうしようもありませんわよ。。。」
【解説】
ツルピカになるほど老け込んだ岡持さんですが、亀山人名義に変更して、心機一転復活!ということでしょうか。
作者の喜三二には、岡持や亀山人という別名義があることを、知らなければ分からないネタですが、当時の人は知っていたのでしょうね。
「岡」の着物を脱いで「亀」の着物になり、元の容姿に戻っています。
立ち直りが早いこと(笑)
一方、遊女さんたちはヘコんじゃってます。
悪口を言った事を反省してるのか、それとも悪口そのものを反省しているわけではなく、聞こえるような場所で悪口を言ったことを反省してるのか?(笑)
次回予行とくずし字クイズ
次回で最終回です。もうほぼ答え書いちゃいました(笑)
三つ目コーナー
もう飽きてきたから、三つ目コーナーも次回で最終回にしようかな(満面の笑み)
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