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姫君と一緒♪  ~『玉水物語』その6~

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随分、更新が滞りました!

私は元気です!

ただ、コタツが私を拘束して放してくれなかっただけです!w

   
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玉水物語 2巻 | 京都大学貴重資料デジタルアーカイブ
※この記事では、京都大学貴重資料デジタルアーカイブの画像を、適宜改変して使用しています。

【原文】

斯《か》く語らふ所に彼《か》の者来たりけれバ、此《こ》の由《よし》と語れバ、「其《そ》の様《よふ》をこそ申さめ」とて立ち帰り、御乳母《おんめのと》に伺《うかゞえ》へバ、「然《さ》らバ、只《たゞ》軈《やが》て参らせよ」との給ふ[宣ふ]
 悦《よろこ》びて引き繕《つくろ》ひ参りぬ。見様《みざま》、容《かたち》、美しかりけれバ、姫君も喜バせ給ひて、名をバ玉水《たまみづ》の前《まへ》と付け給ふ。
 何かに付けても優《ゆふ》に優しき風情《ふぜい》して、姫君の御遊び、御側に朝夕馴れ仕《つかふまつ》り、御手水《おてうづ》参らせ、供御《くご》参らせ、月冴《さ》へと同じく御衣《おんきぬ》の下に臥《ふ》し、立ち去ること無く侍《さぶら》ひける。
 御庭に犬 等《など》参りけれバ、此の人、顔の色違《たが》ひ、身の毛の一つ立ちになる様《やう》にて、物も食い得ず、怪《け》しからぬ風情なれバ、御心苦しく思《おぼ》されて、御所中に犬を置かせ給ハず。
「餘り怪しからぬ物怖《ものお》じかな。此の人の御覚への程の御羨《おうらや》ましさよ」等《など》、傍《かたハ》らにハ嫉《そね》む人も有るべし。
 斯《か》くて過ぎ行く程に、五月半ばの頃、殊更《ことさら》月も隈《くま》無き夜、姫君、御簾《みす》の際《きハ》近く躄《いざ》らせて給ひて、打ち眺め給ひけるに、郭公《ほとゝぎす》訪れて過ぎけれバ、
「郭公《ほとゝぎす》雲井《くもゐ》の余所《よそ》に音《ね》をぞ鳴く」と仰せけれバ、玉水、取り敢へずビール、
「深き思ひの類《たぐひ》成るらん」
 軈《やが》て「我が

【予習の答え】

見さまかたちうつくしかりけれハ姫君
もよろこハせ給ひて名をハ玉みつのまへと付給ふ

【そこはかとなく現代語訳】

 こんな話をしている所に、ちょうど女主人の妹がやってきたので、「かくかくしかじか」と話すと、女主人の妹は、「では、娘様ご奉公希望されることを、お屋敷の方にお伝えしましょう」と、お屋敷に戻っていきました。
 女主人の妹が、姫君乳母様にお伺《うかが》いを立てると、
「だったらすぐに、その娘お屋敷参上させなされ」
 とおっしゃったので、それを伝え聞いたキツネ娘は喜んで、おめかしをして高柳様お屋敷参上しました。
 キツネ娘容姿美しかったので、姫君もお喜びになって、キツネ娘玉水の前という名前をお付けになりました。
 玉水は何をしても、があってマブい感じだったので、どんな時でも朝から晩まで姫君のお側に親しくお仕えし、お顔を洗われるお水のご用意や、お食事のお世話もし、乳母様の娘の月冴《さ》えと一緒に姫君のお側で眠り、ずっと離れずお仕えしたのでした。
 ただ、お屋敷お庭がやってくると、玉水からは血の気が引き、身の毛がよだって((;゜Д゜)ガクガクブルブル食事もできなくなり、何ともヘンテコリンな様子になります。
 姫君可哀想にお思いになり、お屋敷を入れないようにしました。
「こんなにを怖がるのはおかしなことですなあ。
 それにしても、この方がここまで姫君お気に入りとなっているのは、ウラマヤシイ限りです」
 などと、嫉妬する人もいることでしょう。

 そんなこんなで日々は過ぎ、五月の半ばの頃、がとても光り輝いている夜、姫君御簾(みす)の近くまで座って移動なさり、ぼんやり物思いにふけっておられると、ホトトギスが通り過ぎるのが見えたので、
ホトトギスの彼方《かなた》からを上げて鳴いていますね」
 とお詠みになりました。
 玉水はすかさず、
「その鳴き声にはホトトギス深い思いが込められているのでしょう」
 と詠んで、すぐに「

【解説】

はい、キツネさんは、何ともあっさり、姫君にお仕えすることができました(笑)

姫君キツネ娘に付けた名前が、タイトルにもなった「玉水」というわけです。
「玉水」は、「宝玉のように美しく清らかな水」のことです。

キツネ狩の時には大活躍ですから、玉水怖がるのは当然の事ですね。

高貴な姫君人前姿を見せてはならないので、お屋敷の中では御簾(スダレのゴージャスなヤツね)ので過ごします。

〈参考〉

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女用訓蒙図彙 5巻. [1] - 国立国会図書館デジタルコレクション

それにしても、愛する姫君寝室まで一緒に過ごして、よく我慢できるものですね。
このストイックプラトニックラブお話でしょうか?(笑)

次回の予習

玉水の思いが込められたです。
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