四月一日に新しい元号が「令和(れいわ)」と発表されました。
「令和」の典拠が『万葉集』巻五「梅花歌三十二首并序」の「初春令月 気淑風和」だということで、古典文学を扱うこのブログでスルーするわけにはいかないかなと。
『万葉集』の原本はすでに存在せず、書き写された写本で現在に伝わっています。
このブログらしく、室町時代末に書かれた写本で該当箇所を見てみましょう♪
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万葉集 20巻 | 京都大学貴重資料デジタルアーカイブ
※この記事では、京都大学貴重資料デジタルアーカイブの画像を、適宜改変して使用しています。
「初春今月氣(キ)淑(ヨ)ク風和ナリ」
「今月」???
あれ、新元号って「今和」でしたっけ???
あわあわ、えと、江戸時代初期に書かれた別の写本を見てみましょう。
[曼朱院本]萬葉集 20巻 | 京都大学貴重資料デジタルアーカイブ
「初春令月氣(キ)淑(ヨ)ク風せ和ナリ」
ああ良かった、こっちはちゃんと「令月」だ♪
実はですね、この手のは、書き写されて行く内に、誤記などもあって、写本によって書かれている文字が少しずつ違っていたりするのですよ。
こちらの江戸時代初期の版本には、赤字で後世の人の書き入れがあるのですが、
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萬葉集 20巻. [5] - 国立国会図書館デジタルコレクション
「令」の横に「今」と書かれているので、どうも、この箇所に関しては「令月」説と「今月」説があるようです。
しかも、この箇所、「令月」でも「今月」でも意味が通じてしまうから困ったものです。
でも、まあ、文脈から考えると、「令月」でほぼ間違いないと思われるので、みなさまご安心(?)くださいませ♪
というわけで、次回はこの箇所をちゃんと読んで、訳してみたいと思います。
次回の予習
注がつけられた、読みやすい本でこの部分を読んでみたいと思います。
万葉集略解 20巻. [7] - 国立国会図書館デジタルコレクション
三つ目コーナー
『万葉集』の「葉」って「歌」のことだと思うんだ。
だから、『万葉集』は「いっぱい歌を集めた本」って意味だと思うんだ。
ほら、『玉水物語』の「紅葉合わせ」でも葉っぱに歌を付けてたし!
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