一目会ったその日から　～『妖相生の盃［化物三ツ目大ほうい］』その２～ - うきよのおはなし～江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ～

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化物三ツ目大ほうい 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
妖相生の盃 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
富川吟雪画『妖相生盃（ばけものあいおいのさかずき）』安永3［1774］年刊
※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。
※国会図書館には、同じ内容の本が二冊保存されているので、どちらか状態が良いページを選んで使用することにします。
※リンク先の　書誌情報→簡易レコード表示にする　で、あらすじなどの解題が読めますが、ネタバレになるので、読むのは最後になさった方がよいでしょう。
※画像は拡大できます。

【原文】【さっくり現代語訳】

　猫又三毛衛門《ねこまたミけゑもん》
　猫又三毛衛門《ねこまたみけえもん》

　三ツ目大坊主が一人娘お六、仏神《うつしん》［？］妖怪魔王へ参詣し、見越之介《みこしのすけ》を見初める。
　三つ目大坊主の一人娘のお六は、仏神妖怪魔王へ参詣した時に、見越之介を見てズッキュンしてしまいました。

　天目山《てんもくざん》見越入道が息子見越之介、お六を見て深き恋路となる
　一方、天目山《てんもくざん》［山梨県甲州市にある山］見越入道の息子の見越之介も、お六を見てズッキュンし、二人はラブラブになりました。

　鼬左衛門《いたちざえもん》
　鼬左衛門《いたちざえもん》

「良い若衆《わかしゆ》さんだ」
お六「素敵な若衆さんだこと」

【解説】

　挿絵はお六と見越之介が出会った場面ですね。

　右ページ、右上の薬壺と錫杖《しゃくじょう》を持った地蔵が妖怪魔王でしょうか？
　化け物にも化け物のための神仏がいるのですねヾ(๑╹◡╹)ﾉ"
　右下は前回も登場した三つ目大坊主の家臣の猫の妖怪です。
　猫又三毛衛門って名前だったんですねヾ(๑╹◡╹)ﾉ"
　左には、三つ目大坊主の娘お六の姿が。
　はい、ろくろ首の名前はお六というのがこの時代の定番のようです。
　前に紹介したお話にもお六というろくろ首が出てきたのを、みなさんは覚えてらっしゃるかしら？
kihiminhamame.hatenablog.com

　左ページ、右は見越之介の乳母の妖怪でしょうか。
　中央は、見越入道の息子見越之介。
　見越入道は長い首で描かれることが多いので、長い首同士見初めあったということでしょうヾ(๑╹◡╹)ﾉ"
　左は、見越之介の家臣のイタチの妖怪。
　名前は鼬左衛門《いたちざえもん》だそうです。

　あらあら、お六さんには飯櫃古蔵が結婚の申し込みをしてますが、お六さんには見越之介という恋人が、はてさてこの三角関係（？）はどうなってしまうのでしょうか？

三つ目コーナー

　ああ、僕もふきちゃんと三つ目兎さんとの三角関係で悩んじゃう！

　まだふきちゃん諦めてなかったのか！というか、単なる妄想！！！

◆インフォメーション

井原西鶴の大著、『男色大鑑』の一般向けの現代語訳「歌舞伎若衆編」がもうすぐ発売されます♪

北見花芽の中の人もちょっと書いてるので、興味のある方も無い方も、下のアマゾンリンクから、予約して買ってくださると狂喜乱舞します♪
※　書店で買っても、北見花芽の中の人には直接お金が入らないので何卒。