めざせ横綱（？）桃太郎　～『桃太郎一代記』その７～ - うきよのおはなし～江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ～

【要約】

桃太郎は村の農民を集めて相撲を取りました。
桃太郎「おじさんたち、本気出してよ」
農民「全然、勝てん。。。」

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北尾政美（きたおまさよし）画『桃太郎一代記』天明元［一七八一］年刊
桃太郎一代記 5巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。

【翻刻】【補足表記】【現代語訳】

もゝ太良むらの◆百しやうを◆あつめすも◆ふをとる
桃太良、村の百姓を集め、相撲を取る。
桃太郎は村の農民を集めて相撲を取りました。

おぢさんたち◆ほんニとつて◆くんなわざ◆とまけるか◆してたハ◆いかない
よいやさ
「小父さん達、本ニ取つてくんな。わざと負けるかして、他愛《たハい》が無い」
「よいやさ」
桃太郎「おじさんたち、もっと本気出して取っておくれよ。わざと負けてくれてるみたいだから、手ごたえがないよ。えいやっ！」

たにかぜととらせてミたい
「谷風と取らせてミたい」
農民Ａ「谷風［第四代横綱谷風梶之助］と相撲を取らせてみたい」

なんばん◆とつても◆かなハぬ◆もふ◆おれハよしに◆しよう
「何番取っても敵ハぬ。もう、俺ハ止《よ》しにしよう」
農民Ｂ「何番取っても勝てない。もう、オレはやめにするよ」

まだきさま◆じやとお◆もつたか◆それでハ◆もふほか◆にハない◆ぞや
「まだ貴様じやと思つたが、それでハもふ他にハ無いぞや」
農民Ｃ「まだ、お前が相手すれば勝てると思ったが、負けてしまってはもう他に桃太郎と取る相手がいないぞ」

こふき◆れいになげ◆られた◆ところを◆どつとほ◆めたり◆子どもとおもつ◆ておもひのほ◆かなめにあつた
「こふ綺麗に投げられた所をどつと褒めたり。子供と思つて思ひの外な目に遭った」
農民Ｄ「こうも、キレイに投げ飛ばされたんじゃあ、手放しで褒めるしかないわ。子どもだから大したことないと思ってなめてかかったら、ひどい目にあったわ」

【解説】

　力仕事には定評があるはずの農民たちでも、全く相手にならない怪力桃太郎。

　空気投げのような大技で大の大人を投げ飛ばしています。

　西王母の桃で若返った爺と婆は、とんでもないモンスターを生み出してしまったようです。。。

　力士にならずに、ちゃんと鬼退治に行ってくれるのでしょうか？

三つ目コーナー

さあ、僕と夜の相撲を取ろう！ヾ(๑╹◡╹)ﾉ"

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何回使い回してるんだよ、その画像。。。

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