【要約】
桃太郎は鬼ヶ島の遊郭を見て回ります。
案内の鬼「美しい女郎がおります」
桃太郎「カンザシとツノの区別がつかないなあ」
北尾政美(きたおまさよし)画『桃太郎一代記』天明元[一七八一]年刊
桃太郎一代記 5巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。
【翻刻】【補足表記】【現代語訳】
なにと◆うつく◆しい◆のかおり◆ます
おにも◆十八と◆申て◆とかく◆この◆ことさ
「何と美しいのが居ります」
「鬼も十八と申して、兎角《とかく》此の事さ」
案内の鬼「なんとも美しいおなごが揃っております。
『鬼も十八、番茶も出花』[鬼でさえも年頃になれば、それなりに美しくなること]と言いますが、正にこのことでございます」
かんさしか◆つのか◆わからぬ◆あたまの◆によき◆/\のうち◆に二本ハ◆つのた◆そうな
「簪《かんざし》か角《つの》か分からぬ。頭のニョキ/\の内に、二本は角だそうな」
桃太郎「カンザシなのかツノか分からないなあ。頭からニョキニョキ出ている物の中で二つはツノなんだそうだが」
きのしやと◆申ますわ◆きのじハ◆おにと申◆じて◆こさり◆ます
「『きの字屋』と申しますわ、『き』の字は『鬼《おに》』と申す字で御座ります」
案内の鬼「『きの字屋』の『き』と言う字は『鬼(おに)[音読みで「き」]』という字を書きます」
かハつたふうのおきやく◆さんかミへる
「変わつた風《ふう》の御客さんが見へる」
遊郭の従業員[妓夫(ぎゅう)・若い者などと呼ばれた]の鬼「変わった身なりのお客さんがいますなあ」
よいわか◆さんじやの
「良い若さんじゃの」
遊女の鬼「あら、素敵な若衆さんだこと」
【解説】
なぜか桃太郎さん、前回から衣装チェンジしてますね(笑)
「喜の字屋(きのじや)」というのは、吉原で「台の物」という大きな台に乗せた料理の仕出しをする店の総称です。喜右衛門という人のお店が評判だったことから、「喜右衛門」の「喜」の字を取ってそう呼ばれるようになったそうです。
ちなみに、「喜の字屋」は歌舞伎役者の森田勘彌の屋号でもあります。
鬼の遊女さん、輪郭はごっついですが、顔立ちはそれなりに美しいのですねヾ(๑╹◡╹)ノ"
確かにツノが紛れるほど、カンザシをいっぱい挿しまくってますヾ(๑╹◡╹)ノ"
遊女を先導する鬼が持っている提灯の模様が、金棒と節分に飾る柊鰯(ひいらぎいわし)なのが面白いですね。
桃太郎さん、このあと、お楽しみになるのですかね?ヾ(๑╹◡╹)ノ"
三つ目コーナー
三つ目も十八歳になったら、カッコ良くなるかなあヾ(๑╹◡╹)ノ"
お前は何歳なんだよヾ(๑╹◡╹)ノ"
確か百八十、、、ヾ(๑╹◡╹)ノ"
うそつけ、もっと歳取ってるだろヾ(๑╹◡╹)ノ"
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