【要約】
桃太郎は鬼ヶ島を征圧し、お宝を奪った上に、鬼ヶ島観光までして、大満足で日本に帰ることにしました。
鬼「もうお帰りになられますか、里までお送りしましょう」
サル「節分に人里に来る時は、オラの住んでる山に泊まりなされ」
イヌ「道案内はオレがしよう」
キジ「毎年の事なんだから、いつも泊まる宿があるんじゃね?」
桃太郎「さらばじゃ、皆の者、ご苦労であった!」
北尾政美(きたおまさよし)画『桃太郎一代記』天明元[一七八一]年刊
桃太郎一代記 5巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。
【翻刻】【補足表記】【現代語訳】
もゝ太良おに◆かしまにわたり◆いろ/\たからもの◆をとりその◆うへしま/\けん◆ふつしても◆はや日本◆へかへら◆んと◆おにか◆しまを◆たつ
桃太良、鬼ヶ島に渡り、色/\宝物を取り、その上島/\見物して、「最早《もはや》日本へ帰らん」と鬼ヶ島を発《た》つ。
桃太郎は鬼ヶ島に渡り、色々なお宝を奪い、その上島中の見物までして、「そろそろ日本に帰ろう」と鬼ヶ島を後にしたのでした。
もはやおかへり◆なされますか◆さとまておくり◆申ませう御に◆もつハ人そくに◆御もたせあそハ◆しませ
「最早お帰りなされますか、里迄送り申しませう。御荷物は人足《にんそく》に御持たせ遊バしませ」
鬼「もうお帰りになられますか。里までお送りいたしましょう。お荷物は人足(にんそく)[力仕事をする労働者]に持たせなさってくださいませ」
しはらくおせわに◆なりましたまた◆せつぶんのころ御◆ざつたらおらか◆山へたつねて御さ◆れどふでやとをかす◆人ハないからおらかいる◆山かよい
「暫《しばら》くお世話になりました。また節分の頃御座つたら、オラが山へ訪ねて御座れ。どふで宿を貸す人ハ無いからオラが居る山が良い」
サル「しばらくの間、お世話になりました。節分の頃に人里に来なさったら、オラが住む山を訪ねて来てくだされ。どうせ宿を貸してくれる人などいないから、オラがいる山に泊まればよろしい」
ミちかしれ◆すハおれか◆おしへて◆やろふ◆しかし◆おれかおし◆ゑたら◆ほへてくいつくかと◆おもハ◆しやろうか◆そうてハ◆ない
「道が知れずバ、俺が教えてやろふ、しかし、俺が教ゑたら吠へて食い付くかと思ハしやろうが、そうでハ無い」
イヌ「道が分からなかったら、オレが教えてやろう。オレなんかが道案内したら、吠えて食い付くと思うかもしれんが、そんなことはしないから安心しなされ」
さらハ/\◆ミなたいき◆じや
「さらば/\、皆大儀じゃ」
桃太郎「さらば、さらばじゃ! 皆の者、ご苦労であった!」
まいとしのことじや◆からじやうやと◆かあらふすゝか山◆か大江山か
「毎年の事じゃから、定宿《じやうやど》とか有らふ。鈴鹿山か大江山か」
キジ「そんな気を使わなくても、毎年、節分にやってくるのだから、いつも泊まる宿があるじゃろう。例えば、鈴鹿山とか大江山とか」
【解説】
はい、鬼ヶ島は日本国内ではないことが判明しましたヾ(๑╹◡╹)ノ"
外国だから、好き勝手やり放題だったわけですねヾ(๑╹◡╹)ノ"
えっと、自分たちで鬼をとっちめてお世話させたのに、「お世話になりました」とは、サルはサイコパスなのでしょうか?ヾ(๑╹◡╹)ノ"
いやいや、悪いと思っていた鬼たちがいい奴だったので、考えを改めたのでしょうね。
節分になると、鬼ヶ島の鬼たちは、豆を投げられに人里にやってくるようです。
サルとイヌはお世話になった鬼をもてなしたいから、道案内と宿泊の世話を提案しているのに、キジは「定宿があるだろう」と全く空気を読んでいない発言をしています。
ちなみに鈴鹿山には大嶽丸(おおたけまる)、大江山には酒呑童子(しゅてんどうじ)という有名な鬼がいます。
偉そうな桃太郎はもう、どうでもいいですヾ(๑╹◡╹)ノ"
三つ目コーナー
北見花芽も僕の家に泊まりにおいでよヾ(๑╹◡╹)ノ"
お前は俺の家に居候してるだろうが!ヾ(๑╹◡╹)ノ"
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