【要約】
桃太郎が鬼ヶ島から帰ってくるのを聞きつけ、村人たちはみんな出迎えに来ました。
まず、お宝と三匹のお供が先にやってきて、あとから桃太郎は悠々と凱旋帰国です。
北尾政美(きたおまさよし)画『桃太郎一代記』天明元[一七八一]年刊
桃太郎一代記 5巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。
【翻刻】【補足表記】【現代語訳】
もゝ太良おにかしまより◆かへるよしをきゝむら◆のものミな/\むかひ◆にいてるいろ/\のたから◆ものとももちむかひの◆ものはやすよい/\◆/\ミやうじ◆んまつりのは◆なだしてこの◆ようなものをミた
桃太良、鬼ヶ島より帰る由《よし》を聞き、村の者皆/\迎ひに出でる。色/\の宝物共持ち、迎ひの者は囃《はや》す。
「よい/\/\、明神祭りの花出して、此の様《よう》な物を見た」
桃太郎が鬼ヶ島から帰ってくること聞き、村人たちはみんな出迎えに来ました。迎えに来た村人たちの中には、色んな宝物とかを担いで、はやしたてる者もいます。
「よいやさ、明神様のお祭りに使う道具を出して、このような素晴らしいものを見に来ました」
てんきか◆よくて◆御たかひ◆にし◆やハせた
「天気が良くて、御互ひに幸《しやハ》せだ」
イヌ「天気も良くて、我々も幸せだなあ」
きんざい◆のもの◆けんふつ◆する◆コレハ◆めつらし◆いこと◆じや
近在の者、見物する。
「コレハ珍しい事じや」
ほかの村人たちも見物します。
「こんな事はめったにないなあ」
【翻刻】【補足表記】【現代語訳】
もゝ太良おにか◆しまより◆かへる◆むらの◆ものども◆大ゼい◆むかひに◆いでる
桃太良、鬼ヶ島より帰る。村の者共大勢迎ひに出でる。
桃太郎は鬼ヶ島から帰ってきました。村人たちがたくさん出迎えに来ました。
めづらしいことだ◆此ようなむかひに◆ハでたがよいひよつ◆とあやかるまひ◆ものでハない
「珍しい事だ。此の様な迎ひにハ出たが良い。ひよつと肖《あやか》るまひ物でハ無い」
若者A「こんな事はめったにないから、迎えに出た方が良いに決まってる。うっかりしてて、この快挙にあやかりそびれたらもったいない」
わかいものども大セい◆めじるしにのほり◆にてでる
若い者共大勢目印に幟《のぼり》にて出る。
若者たちもたくさん、目印にノボリを立てて出迎えます。
御二人かまち◆かねて御さり◆ましよ
「御二人が待ち兼ねて御座りましよ」
若者B「ご両親がお待ちかねでしょう」
おにもつハ◆もふさきへとゝ◆いたあ◆らう
「お荷物ハもふ先へ届いたあらう」
若者C「お荷物はもう先に届いているでしょう」
【解説】
はい、まだこのお話終わってませんよ!
今回も含めてあと6回ほど続きますので!ヾ(๑╹◡╹)ノ"
先にお宝と三匹のお供を帰しておいて、あとから桃太郎は一人馬に乗り、英雄気取りの帰国です。
イヌはサルに話しかけていますが、どうもキジはハブられてるっぽいです。
どうしてもトリオだと2対1になってしまう傾向があるのですかねえヾ(๑╹◡╹)ノ"
三つ目コーナー
さらば鬼ヶ島! ~『桃太郎一代記』その20~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
昔話と随分と違う桃太郎のお話、毎回毎回の展開が楽しみでした。鬼ヶ島に住む鬼はバイキングの末裔だと聞いたことがありますが、どうなのでしょうか?
2019/11/23 23:02
鬼に関しては色々な説がありまくって何とも言えないのですが、要は自分たちとは容姿が大きく異なる外国人を、鬼に見立てたのではないかということですよね。
江戸時代には小笠原諸島に外国から来た人も住み着いていたそうなので、鎖国の中でも外国人と接する機会は少なからずあったのでしょうね。
実は僕もフランス人なんだヾ(๑╹◡╹)ノ"
うそつけ、そもそもお前は人じゃないヾ(๑╹◡╹)ノ"
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