というわけで、『宇治拾遺物語』再開ですヾ(๑╹◡╹)ノ"
当ブログは江戸文学を紹介するブログですが、『宇治拾遺物語』は鎌倉時代の作品で、使用しているテキストも明治時代の女学校の教科書ですヾ(๑╹◡╹)ノ"
でも、まあ、この教科書に使われている書体は、江戸時代に使われていたくずし字なので、良しとしましょうよヾ(๑╹◡╹)ノ"
細かいことは言いっこなし(笑)ヾ(๑╹◡╹)ノ"
今回から数回に分けて、id:tayorako さんと、id:harienikki さんリクエストの「鼻、長き僧の事」を読んでいきたいと思いますヾ(๑╹◡╹)ノ"
※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。
和文教科書. 7之巻 宇治拾遺物語ぬきほ - 国立国会図書館デジタルコレクション
【原文】
「鼻、長き僧の事」
昔、池の尾に禅珍内供《ぜんちんないぐ》と言ふ僧、住みける。
真言《しんごん》など良く習ひて、年久しく行ひて、貴《たふと》かりければ、世の人々、様/゛\の、祈りをせさせければ、身の徳、豊かにて、堂も僧坊も、少しも荒れたる所なし。
佛供《ぶつぐ》・御燈《みとう》なども、絶えず。
折節の僧膳《そうぜん》、寺の講演、繁く行わせければ、寺中の僧坊に、隙《ひま》無く、僧も住み賑《にぎは》ひけり。
湯屋《ゆや》には、湯 沸《わ》かさぬ、日無く、浴《あ》み罵《ののし》りけり。
又、其《そ》の辺りには、小家《こいへ》ども、多く出で来て、里も、賑《にぎわ》ひけり、
さて、此《こ》の内供は、鼻長かりけり。
五六寸ばかりなりければ、顋《あご》より下がりてぞ見えける。
色は、赤紫にて、大柑子《おほかうじ》の膚《はだ》の様《やう》に、粒立《つぶだ》ちて、膨《ふく》れたり。
痒《か》ゆがる事、限りなし。
提《ひさげ》に、湯を返らかして、折敷《おしき》を、鼻差し入るば
※「住みける」は、「住みけり」なるべし。
【現代語訳】
「鼻が長い僧の事」
昔、池の尾[京都府宇治市]に禅珍内供《ぜんちんないぐ》という僧が住んでいました。
密教の真言の教えをよく学び、長年修行して、尊敬すべき人物でしたので、世間の人々は様々な祈祷《きとう》を頼みました。
そのため、収入も多く、お堂も僧坊[僧の住居]も、全く荒れた所はありませんでした。
仏様へのお供えやお灯明も、絶えることがありませんでした。
法事の後の食事会や、寺での説法も頻繁《ひんぱん》に行わせていたので、寺の僧坊には空きスペースがないほど、僧が住んで賑わっていました。
お風呂場にお湯を沸かさない日は無く、僧たちはワイワイガヤガヤと入浴していました。
また、この辺りには小さな家がたくさん出来てきて、村里も賑わっていました。
さて、この禅珍内供は、鼻が長かったのです。
15センチくらいあったので、アゴの下まで垂れているように見えました。
色は赤紫で、大きい夏ミカンの皮のようにブツブツで、ふくれていました。
いつもとても、かゆがっていました。
提《ひさげ》[小さなヤカンのような器]にお湯を沸かし、折敷《おしき》[木のお盆の一種]に鼻が入るくらいの
【解説】
芥川龍之介の「鼻」の元になったお話です。
徳も高くて、寺も栄えているスーパー僧侶の唯一の弱点が長い鼻、15センチはかなりの長さですよね。
さて、この長い鼻でどのように話が展開して行くのか、まあ、だいたいのストーリーはご存知の方が多いと思いますが、知ってる方も知らない方も、どうか次回をお楽しみにヾ(๑╹◡╹)ノ"
三つ目コーナー
実は、僕にも一つだけ弱点があるんだヾ(๑╹◡╹)ノ"
いやいや、弱点しかないだろヾ(๑╹◡╹)ノ"
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