うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

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予言獣のルーツは角大師?

今日はキタヰスカヤid:Kitajskayaさんのご質問にお答えしようと思います。

KitajskayaKitajskaya アマビエもこの伊勢神宮の鳥も、自分の姿を描くことで災いを防ぐ共通点がありますが、何故何だろうと不思議に思います。神道に何らかの関係があるのでしょうか?

2020/05/30 08:58 リスト

誰か言ってる人がいるかもしれませんが、パッと思い浮かんだのは、角大師《つのだいし》が影響しているのではないかということです。

はい、以前、このブログでちょこっとだけ取り上げたことがある、このようなが書かれたお札です。
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kihiminhamame.hatenablog.com

角大師は、今でも元三大師ゆかりのお寺厄除けとして配られています。
角大師誕生のエピソード予言獣と関連しているのではないかと。

では、延宝八[1680]年頃に描かれた『元三大師縁起絵巻』の、当該箇所を読んでみましょう。
※今回は便宜上、寛政元[一七八九]年刊『元三大師伝』下の明治時代の翻刻本を利用します。
高僧実伝 : 仏教各宗 - 国立国会図書館デジタルコレクション

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【現代語訳】

 永観二[九八四]年のころでしたか、夜が更け、人が寝静まったころ、風がもの寂し気に吹いていましたが、すさまじく雨が窓を打つ音が聞こえたので、元三大師良源《がんざんだいしりょうげん》様が、まだ油が切れずに消えていない灯明の光で様子をご覧になると、怪しい奴大師様の前に現れました。
 大師様が「お前何者だ」とお聞きになると、怪しい奴は「疫病担当する、百鬼夜行の化け物のボスです。大師様は今、疫病にかかる巡りあわせでございます。恐れ多いことですが、大師様のお体侵入させていただきます」と言いました。
 大師様は「悪業仏道へと導くとなる」とおっしゃり、試しに左の小指を差し出して侵入させると、すさまじい苦痛大師様全身を駆け巡りました。大師様三つの真理融合させてパワーチャージし、指パッチンをなさると、疫病神大師様の小指から弾き出され、腰をくの字にして転げ回りました。やがて大師様のお体の異変は治まり、元通りになられました。
 後日、大師様は「小指を一本、侵《おか》されただけでこんなに苦しかったのに、体全体疫病に侵されたら、持ちこたえることはできないだろう。よし、この疫病この世から追い払ってやろう」とお誓いになりました。すると大師様のお姿夜叉[鬼]になり、にそのお姿を写して、「この姿を描いた絵を貼った所に疫病神が来ることは無く、疫病を追い払うことだろう」とおっしゃいました。
 それから、大臣の家の柱から庶民の家の扉まで、今もこの元三大師様夜叉になった姿絵を貼って敬《うやま》っているのです。とてもありがたい元三大師様お誓いでございます。

【解説】

鬼の姿になった元三大師良源が「私の姿絵を貼れば疫病退散!」と、予言獣とほぼ同じエピソードですね。
要するに、強い人の姿を貼れば、おそれおののいて疫病も逃げていくということでしょう。

果たしてこの姿絵効果があったのか?
江戸時代になってからのエピソード『元三大師縁起絵巻』には、書かれています。

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【現代語訳】

 寛永[一六二四~一六四四年]の頃、越前国福井県疫病が流行って、住民の多くが亡くなりました。
 その頃、一人の大工比叡山に登り、元三角形《がんざんかくぎょう》の御影《みえい》[角大師《つのだいし》]をゲットして帰り、に貼りました。すると、前後左右の隣家では疫病にかかって苦しんでいたにもかかわらず、大工の家の人は一人も疫病にかかることはありませんでした。
 大工ですから、その御影に彫って刷り、みんなに配ったところ、御影を貼ったはほとんど疫病にかかることはなく、たまたま疫病にかかった者でもにまでは至りませんでした。
 越前国の大名はこのことを聞き、比叡山に言って御影をたくさん刷らせ、住民に貼らせた所、越前国の疫病の流行終息したということです。

【解説】

『元三大師縁起絵巻』は、元三大師及び天台宗アピールするために描かれたもので、のちには刊行までされたので、角大師のエピソードはおそらく世間には多く広まっていたと思われます。
予言獣の話に転化されても何の不思議もありません。
ちなみに、予言するのは、やっぱり、ソロリコロリの件が元なのかなあ?
kihiminhamame.hatenablog.com

※参考論文―鈴木堅弘「〈元三大師縁起絵巻〉からみるポリティクスと両大師信仰―近世天台高僧絵伝の成立と天海の意向」
第52号 | | 全学研究センター | 京都精華大学

三つ目コーナー

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