今回は鼻毛延高と千久羅坊の狂歌のパートです。
※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。
金草鞋. 1編 - 国立国会図書館デジタルコレクション
【原文】
案内の男、
「何とお国へのお土産に一幕どうで御座りヤす」
と言へば、鼻毛延高《はなげののびたか》聞ゝて、
狂 国さあへ 土産にしろと 言ひ召すが この芝居さあ 何《あに》持たれべい
【現代語訳】
案内人の男が、
「どうぞ、お国へのお土産に一幕見て行きませんか?
と言うのを、鼻毛延高《はなげののびたか》は聞いて、狂歌を一首詠みました。
狂歌「国へのお土産にしろとおっしゃいますが、この芝居を見ても何も持たせてくれませんよね?」
【解説】
案内人は「土産話にしては」と言ったのに、無粋な延高は土産と言えば「土産物」しか思い浮かばないというわけです。
【原文】
芝居の門《かど》に居る者共、千久羅坊《ちくらぼう》を捉《とら》へ、
「安く見せます、入つて見なせへ」
と引つ張れば、
狂 狂言《けうげん》[ここでは歌舞伎及び歌舞伎の演目のことを指す]ハ、あんだかかんだか 知らないが 面白 相談すべい 幾《いく》らだあ
【現代語訳】
芝居小屋の従業員たちが、千久羅坊《ちくらぼう》を捕まえて、
「入場料を安くしますから、入って見て下され」
というので、千久羅坊《ちくらぼう》は狂歌を一首詠みました。
狂歌「歌舞伎がなんだかよく知らないが、面白そうだから、値引きの相談をしましょう、入場料はいくらにしてくれる?」
【解説】
狂歌は「おもしろそうだ」と「そうだん」を掛けたダジャレですヾ(๑╹◡╹)ノ"
千住では宿引きに引っ張られましたが、今度は芝居小屋の者に引っ張られる千久羅坊ヾ(๑╹◡╹)ノ"
これまた無粋な千久羅坊は、ちょっとミーハーっぽいですが、歌舞伎に興味があるというよりも、安さに興味があるようですヾ(๑╹◡╹)ノ"
ここでも田舎者丸出しの二人なのでしたヾ(๑╹◡╹)ノ"
三つ目コーナー
僕も狂歌を詠もうかなヾ(๑╹◡╹)ノ"
いつ詠むの? 今日か? ヾ(๑╹◡╹)ノ"
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