一行は日本橋の魚市場にやってきました。
※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。
金草鞋. 1編 - 国立国会図書館デジタルコレクション
【翻刻】
日本橋魚市《にほんはしうをいち》
葺屋町《ふきやてう》から親父橋《おやぢばし》を渡りて、江戸橋の河岸《かし》通りを日本橋へ差し掛ゝり、この辺りの魚市《さかないち》を見せて、かの案内の男、
「何と見なせへ、例えにも『小田原町・新場《しんば》の魚市を上方の者に見せたようだ』と肝の潰れた事に言ひやすが、この魚が今の間に皆売れ切つてしまいやすは、何と豪勢な物じヤア御座りやせんか。
そこにある鯛を見なせへ、目の下が五尺ばかりもあらう。
こんな鯛さへ直《じき》に売れてしまいヤす」
と言へば、延高《のびたか》、
狂 おやつかな そんなア鯛《たい》が 売れるなら その銭うちが 貰ひたい/\[「鯛」と「貰いたい」をかけた]
【現代語訳】
日本橋の魚市場
一行は、葺屋町《ふきやちょう》から親父橋《おやじばし》を渡って、江戸橋の河岸《かし》通りを歩いて日本橋へ差し掛かりました。
例の案内人の男は、この辺りの魚市場を見せて、
「さあ、ごらんなさい。
ビックリすることの例えに「小田原町及び新場《しんば》の魚市場を関西の人に見せたようだ[日本橋の魚市場のすごさに関西人がビックリする]」と言いますように、この魚市場にあるたくさんの魚は、あっという間ににみんな売り切れてしまいます。
何とも景気が良い事ではございませんか。
そこにある鯛をご覧なさい、目の下から五尺[約150cm]ぐらいはあるでしょう。
こんな立派な鯛でさえあっという間に売れてしまいます」
と言うと、鼻毛延高《はなげののびたか》は、狂歌を詠みました。
「ひええ、そんなにいっぱい鯛が売れるなら、その売れた金を少しぐらいワシが貰いたいもんじゃ」
【解説】
上部に日本橋と大名行列のようなものが描かれています。
葺屋町から日本橋までのルートは次の通りです。
〔江戸切絵図〕 - 国立国会図書館デジタルコレクション
次回は、「鯛を売った金が欲しい」なんてあまりにもバカなことを言う鼻毛延高に、案内人の男が怒りますwヾ(๑╹◡╹)ノ"
三つ目コーナー
うほっ!
うほっ!
なんで挿絵で興奮してるんだよ!ヾ(๑╹◡╹)ノ"
◆インフォメーション
こちらの記事もぜひご覧くださいヾ(๑╹◡╹)ノ"
myougirl.hatenablog.com
リモートアートタウンつくば、支援を募っています!ヾ(๑╹◡╹)ノ"
大道芸の灯を消したくないので!ヾ(๑╹◡╹)ノ"
◆インフォメーション
「を知る通信」さんに、「あなたの家の中にいるかもしれない衝撃の妖怪五選」という記事を寄稿しましたので、ぜひご覧ください!ヾ(๑╹◡╹)ノ"
はてなブックマークでのコメントもぜひ!ヾ(๑╹◡╹)ノ"
◆北見花芽のほしい物リストです♪ ご支援よろしくお願いします♪
◆インフォメーション
井原西鶴の大著、『男色大鑑』の一般向けの現代語訳「歌舞伎若衆編」が発売中です♪
北見花芽の中の人もちょっと書いてるので、興味のある方も無い方も、下のアマゾンリンクから買ってくださると狂喜乱舞します♪
※ 書店で買っても、北見花芽の中の人には直接お金が入らないので何卒。

- 作者: 染谷智幸,畑中千晶,河合眞澄,佐藤智子,杉本紀子,濵口順一,浜田泰彦,早川由美,松村美奈,あんどうれい,大竹直子,九州男児,こふで,紗久楽さわ
- 出版社/メーカー: 文学通信
- 発売日: 2019/10/21
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
「武士編」も好評発売中です♪
全訳 男色大鑑〈武士編〉
『男色を描く』も合わせてお読みいただけるとより楽しめると思いますよ♪
※ こちらも北見花芽の中の人がちょっと書いていますので。
男色を描く: 西鶴のBLコミカライズとアジアの〈性〉
◆北見花芽 こと きひみハマめ のホームページ♪
◆拍手で応援していただけたら嬉しいです♪
(はてなIDをお持ちでない方でも押せますし、コメントもできます)
◆ランキング参加してます♪ ポチしてね♪
◆よろしければ はてなブックマーク もお願いします♪ バズりたいです!w