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妖怪ヘマムショ入道? 【再読】 ~山東京伝『怪談摸摸夢字彙』より~

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みなさんは「へのへのもへじ」を知っていますか?

知ってるよヾ(๑╹◡╹)ノ"

君の顔だと「へのへのへのもへじ」になるなヾ(๑╹◡╹)ノ"

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今では廃れてしまいましたが、「へのへのへのもへじ」と同じような文字絵で、「ヘマムショ入道」というのが、江戸時代には流行っていました。

山東京伝作・北尾重政画の『怪談摸摸夢字彙(かいだんももんじい)』(享和三[1803]年刊)には、妖怪として「ヘマムショ入道」が登場します。

まず、『怪談摸摸夢字彙』について説明しておきますと、当時、妖怪のことを「ももんじい」とも言っていました。

ただ、ここでは、「摸摸夢字彙」という変な字があてられています。

「摸」は「まねる」、「字彙」は「辞書」という意味です。

この作品では、京伝が創作したパロディー妖怪が登場します。

たとえば、「見越入道」ならぬ「見越入湯《みこしにゅうとう》」、「ろくろ首」ならぬ「欲路首《よくろくび》」など。

要するに、『怪談摸摸夢字彙』というタイトルには、「パロディー妖怪辞典」という意味を持たせてるんだと思います。

「ヘマムショ入道」は特に名前がもじられているというわけではありませんが、そもそも、「ヘマムショ入道」は妖怪ではなく、ただの落書きなので、それを妖怪として登場させていることがパロディーとなっています。

それでは、『怪談摸摸夢字彙』の「ヘマムショ入道」の項目を、読んでみましょう。

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怪談摸摸夢字彙 : 3巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しております。

【原文】

〇ヘマムシヨ入道《にうだう》

マムシヨ入道ハ、寺子屋に住ミて、徒《いたづら》な手習ひ、子のアクビを取り食らひ、退屈の時を伺《うかゞ》ひて、手習ひ草紙の内に姿を現し、手習ひの邪魔をして、或《ある》いハ居眠《ゐねぶ》りさせ、或いハ無駄書きをさせて、終《つひ》には無筆《むひつ》明き盲《めくら》と為《な》す恐ろしき化け物也。
子供衆《こどもしゆ》、必ず無駄書きをして、此の入道に化かされ、一生《いつしやう》明き盲と成り給ふな。

「のらつきばかり良き物は無し。」

入道 曰《いは》く、
「これ松さん、その手習ひ草紙へ俺が形《なり》を描いてミな。
お前《めへ》は絵心が無《ね》へから、描きえへやあしめへ。」
などゝ急《せ》かせる。

●「鬼の留守にハ洗濯、お師匠さんの留守にハ横着《わうちやく》だ。」

【現代語訳】

〇「ヘマムショ入道」

 マムショ入道は、寺小屋[学校]に住み着いていて、勉強に飽きてアクビをしている子供大好きです。

マムショ入道は、子供退屈している様子を見て、手習い草紙[学習ノート]の中に姿を現し、勉強邪魔をして、居眠りさせたり、落書きをさせたりします。

そして、とうとう子供文字の読み書きできないようにしてしまう、恐ろしい化け物です。

子供たちよ、決して、マムショ入道姿手習い草紙落書きしてはいけませんよ!

マムショ入道化かされて、一生読み書きができないようになってしまいますよ!


 子供サボることほど楽しい事はないなあ♪」

 マムショ入道は、

「これ、松さん[子供の名前]や、その手習い草紙オレの姿描いてみなよ。

ははあ、お前絵心がないから、描けやしないか(笑)」

などと言って、子供挑発して落書きをさせようとします。


 子供居ぬ間には洗濯先生居ぬ間には怠けよう♪」

【解説】

ご覧のように、「ヘマムショ入道」という文字絵は、「ヘマムショ」「入道」となっています。

勉強サボってしまうのは、マムショ入道仕業だと(笑)ヾ(๑╹◡╹)ノ"

今の子どもも、昔の子どもも、やっぱりノート落書きはするもんなんですね(笑)ヾ(๑╹◡╹)ノ"

ちなみに私のノートには、マムショ入道の代わりに、ドラ○もんやらサ○エさんやらという妖怪が出てきたので、おかげでこんなんになってしまいました(笑)ヾ(๑╹◡╹)ノ"

みなさんのノートにはどんな妖怪が現れましたか???(笑)ヾ(๑╹◡╹)ノ"


 

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