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人のチョメチョメのぞいた男の運命は? その3 【再読】 ~『野傾友三味線』巻三の四「願成就の宮廻」~

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【原文】(クリックで展開)

【原文】

昔、吹屋町《ふきやちやう》の裏住《うらずミ》の男、細本手《ほそもとで》の内より、路銭《ろせん》を貯め置き、参宮《さんぐう》の所願《しょぐハん》、今年と言ふ今年の春、思ひ立《た》ち、時《とき》を得て、馬の合はぬ連《つ》れも気難しく、独《ひと》り軽尻《からじり》に乗りたけれバ乗ろう共、勝手次第《かつてしだい》に、程無く、神風や山田《やうだ》[「神風」は「山田」の枕詞][「山田」は伊勢神宮外宮のある場所]に、月読み日読み[月日を数える][「月読み」は「月読尊《つきよみのみこと》」とかけているか]
其れより下向《げかう》の道、右は江戸、左《ひだり》は京海道《きやうかいだう》の別《わか》れの関《せき》に泊《とま》りを定めけるに、襖《ふすま》一重《ひとへ》隔《へだ》て、隣座敷《となりざしき》に、三十ばかりの男と、二十歳《はたち》には見ゆれど、大柄なれば、確かに十七八の女、これも下向《げかう》か参りか唯《たゞ》二人、日高《ひだか》に着きて、文《あや》ハ知らねども、面白き寝物語《ねものがたり》。
伊勢道中《いセだうちゆう》にて其の様な事ハ有るまいと思へども、近年《きんねん》ハ戸板《といた》[人を乗せて運ぶ板]に乗《の》りたる沙汰《さた》[命にかかわる事態]無きハ、神も氣《き》を通《とを》し給ふらん。」
と思ふに付けてハ、一人寝《ぬ》る夜《よ》の目が合はず[右大将道綱母「歎きつつ ひとり寝《ぬ》る夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る」(百人一首)を踏まえるか]

 

【現代語訳】

昔、江戸の葺屋町《ふきやちょう》裏通りに住むは、伊勢参りがしたくて、少ない収入の中から、少しずつ旅費を貯めていました。

そして、「今年の春こそは!」と思い立ち、ちょうど時期も良かったので、伊勢参りに行くことにしました。

が合わない[気が合わない]仲間を連れて行くのもなので、一人で行くことにしました。

軽尻《からじり》[「の合わぬ」と「軽尻(旅人を乗せる料金の安い)」がかかっている]に乗りたかったら乗るし、乗りたくなかったら乗らないしという、勝手気まま自由な旅でした。

そして、無事に、伊勢参りを済ませることができました。

それから、伊勢参りからの帰り道「右は江戸」「左は京街道分岐点にある関宿《せきじゅく》で泊まることにしました。

ふすま一枚隔てた隣の部屋に、三十歳ぐらいの男と、大柄なので二十歳ぐらいに見えますが、間違いなく十七八歳の女が泊まっていました。

この人たち伊勢参り行く道中か、はたまた帰り道なのか、二人っきりで、日中宿到着して、何を言っているかは分かりませんが、寝床面白そうな話をしているようでした。

江戸の男は、

隣の二人は、-をすべき神聖なお伊勢参りの道中で、まさか色っぽいことなどはしていないとは思うが、最近は、よほどのことがなければ、神様を利かしてお見逃しになると言うし。。。」

と思うにつけては、一人寝寂しい夜モンモンとして、が冴えてまぶたが閉じません。

【解説】

伊勢神宮」「お金」という導入部分をふまえて、お金を貯めて伊勢神宮参詣に行くが、このお話主人公です。

伊勢参りに行くのもお金必要と言うわけです。

一生に一度はお伊勢さんに行くのが、この頃の庶民の夢でした。

伊勢参り様子はほぼ書かれず、帰りに泊まった宿でのお話メインになるようです。

どうやら、伊勢参りの行き帰りの道中は、-基本みたいですね。

でも、伊勢の古市《ふるいちには大きな遊郭があったんだよねヾ(๑╹◡╹)ノ"

そういう事はよく知ってるなヾ(๑╹◡╹)ノ"

 

 

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