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①井上ひさしが影響を受けた江戸時代の本 ~唐来参和『莫切自根金生木』~

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先日、NHK番組発掘プロジェクト通信を読んでいましたら、
www.nhk.or.jp

作家井上ひさしさん影響を受けた本の一つとして、『莫切自根金生木』という作品をあげていました。

『莫切自根金生木』江戸時代黄表紙というジャンルです。
これは、ここで取り上げるしかないでしょうヾ(๑╹◡╹)ノ"
だって、これを読んだら影響を受けて、大作家になれるかもしれませんものヾ(๑╹◡╹)ノ"

『莫切自根金生木』は、「きるなのねからかねのなるき」と読みます。
このタイトル上から読んでも下から読んでも「きるなのねからかねのなるき」です。

回文にするために、文法的にはヘンテコになっていますが、
「切っても切っても根から金のなる木が生えてくる」
「切っても無駄だ、根っこがある限り金のなる木は生えてくるのだから」
と言った意味合いでしょうか。

作者唐来参和《とうらいさんな》小沢昭一さんが舞台で演じてちょっと話題になったことがあった作家です。

唐来参和 (とうらいさんな) -出演 小沢昭一- [DVD]
 

ではまず、序文から読んでみましょう。

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莫切自根金生木 : 3巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
唐来参和『莫切自根金生木』[天明5(1785)年刊]

※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。

【原文】



諺《ことわざ》に「貧《ひん》の病《やまひ》有り、持つたが病《やまひ》有り」。
「金《かね》が敵《かたき》」と云《い》ふ側《そバ》から、「たつた三百両とは、こいつハ有り難い」と感心《かんしん》して余り有れども、算用《さんやう》しては不足《ふそく》だらけ。

其処《そこ》の所ハ、入我我入《にうががにう》仏教用語で、人と仏が一体になる境地の事。転じて、何だかよくわからない事]、俺が我か、我が俺か、どちらへ張りたら与勘平《よかんべい》[与勘平は「疝気《せんき》寸白《すばこ》に張ったらよかんべい」などと言って売り歩いた膏薬売りのこと]

《なに》か波《なにわ》の《あし》早《はや》く[「か」と「波」、「難波の」と「が早い」を掛けた]、挊《かせ》ぐに追《お》ひ付《つ》く貧乏物《びんぼうもの》に、足《た》る事を教へんと、一寸一部《いつすんいちぶ》の此の草紙ハ、友人、唐来参和《とうらいさんな》が、変わらぬ春《はる》の出放題《でほうだい》なる事を、口元に綾なすのミ。

和光同人《わこうどうじん》

【現代語訳】



貧乏という病気があるが、金持ちという病気もある」

という諺《ことわざ》があります。

悩まされ、身を滅ぼす」と言っている先から、

「たった三百両でいいとは、こいつはありがたい

と言ってるのを聞くと、あきれて仕方ありませんが、計算するとやっぱりお金が全然足りません。

金銭事情というものは、色々と入り混じって何だかよく分からなくて、俺《おれ》我《われ》なのか?なのか?もよく分かんなくなって、膏薬《こうやく》かどちらに張ったらいいのやら?

なぜだか稼いでもすぐに出費が追いつく貧乏者に、お金足りたらどうなるかを教えようと、この小さな一冊の本が書かれました。

なお、この本は、私の友人唐来参和《とうらいさんな》が、いつもと変わらぬめでたい新春に、ただから出まかせ好き勝手巧み書いたものです。

by和光同人《わこうどうじん》仏教用語和光同塵《わこうどうじん》」をもじったか。おそらく架空の人物]

【解説】

正直、この手の序文というものは、言葉遊びが多すぎて、今となっては何が書いてあるかよく分からないことが多いんですよねえ。

なるべく、意味が通じるように訳したつもりですが、なにしろ元の文章がイミフなので、どうぞご勘弁をヾ(๑╹◡╹)ノ"

とにもかくにも、私のような貧乏人に、金持ちの話をしてくれるようなのですが、はてさてヾ(๑╹◡╹)ノ"

次回から本編だよ、はんぺんじゃないよヾ(๑╹◡╹)ノ"

なぜ、その低クオリティーのダジャレを、わざわざ最後に出て来てまで言おうと思ったんだヾ(๑╹◡╹)ノ"

 

 

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