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⑥井上ひさしが影響を受けた江戸時代の本 ~唐来参和『莫切自根金生木』~

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※下に現代語訳と解説がありますヾ(๑╹◡╹)ノ"

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莫切自根金生木 : 3巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
唐来参和『莫切自根金生木』[天明5(1785)年刊]

※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。

【原文】

①本文
萬/\ハ定めの場より降りて、江戸節など語りながら行き、後ろから以前の駕籠舁《かごかき》、駕籠の中ニ落ちて有りし金を持つて追つかけ、無理無体《むりむたい》ニ押し付ける故《ゆへ》、色/\言い訳をすれども聞ゝ入れず、後にハ喧嘩《けんくわ》となる。

②萬々
「知りもせぬ物を人に言ゝかけする、細い奴等《やつら》だ」

③駕籠舁A
「要《い》らねへと言ふなら、奴《しやつ》面《つら》へぶつ付けて帰れ」

④駕籠舁B
「正直な事を言へば、人が怖がると思つてけつかるか」

⑤本文
「今年ハ世の中穏やかなれバ、沢山《たくさん》の米の買い置きをして、下がりを見て売り払ひ、損をせん」
 と思ひ付き、手代どもへ言ゝ付け、米の買い置きをする。

⑥手代
常陸《ひたち》や磐城《いわき》の水有る混じりを、両ニ五升で買い置きました」

⑦萬々
「其の相場なら、美濃や尾張ハ二三升ぐらいの事だろう。
 何でも働《ばたら》いて、高く買ってくりやれ」

⑧萬々の妻
「これで金蔵も、ちつと席が出来やう。
 嬉しや/\」

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【現代語訳】

①本文
 萬々指定した場所駕籠から降りて、江戸節などを語りながら歩きました。
 すると、後ろからさきほどの駕籠舁《かごかき》が、駕籠の中に落ちていた財布を持って追っかけて来ました。
 無理矢理、駕籠舁萬々その金押し付けてくるので、萬々色々弁明をしましたが、駕籠舁は聞き入れず、しまいにはケンカになってしまいました。

②萬々
自分の身難儀が降りかかる事恐れて、知らない大金の入った財布人に押し付けようとするとは、なんて気の小さいやつらだ」

③駕籠舁A
こいつがどうしてもこの金受け取らないと言うなら、こいつの顔財布投げつけ帰ろうぜ」

④駕籠舁B
自分の言っている事が正しい言い張れば、俺たち怯《ひる》むとでも思ってやがるのか」

⑤本文
萬々は、
今年世の中が平穏米の値が安定しているので、たくさん米の買い置きをして、値が下がるのを見て売り払いをしよう」
 と思い付き、手代たちへ言いつけて、米の買い置きをしました。

⑥手代
常陸《ひたち》や磐城《いわき》の水っぽい混米を、一両あたり五升買い置きました」

⑦萬々
「その相場なら、美濃尾張だと一両あたり二三升ぐらいだろう。
 とにかく頑張って高く買ってくだされ」

⑧萬々の妻
「これで金蔵にも、ちょっとぐらいは空きができるでしょう。
 うれしいこと、うれしいこと」

【解説】

 使用している国会図書館所蔵本は、一冊にまとめて保存されていますが、この作品は、元々上中下の三巻本で、右ページが上巻の終わりで、左ページが中巻の始まりになります。

 萬々駕籠を降りたら、萬々の前に乗った人が忘れて行った財布を持って、駕籠屋追いかけてきます。
 チップをやる散々言っていた男降りた後お金が残されていたら、さっきの男が、チップを駕籠の中に強引に置いて行った駕籠屋が思うのは、当然と言えば当然ですよね。
 遊女屋に行ってお金を使うはずが、知らない人の金まで押し付けられて、逆に金が増えてしまったというのが、上巻のオチですヾ(๑╹◡╹)ノ"

 中巻の最初では、萬々気をとりなおして、米を高く買って値が下がったら安く売って損を出そうと考えたのですが、この結果は、もうちょいあとに判明するのでお楽しみにヾ(๑╹◡╹)ノ"

 なぜか好評「三つ目を探せ!」今回も続行なのですが、正解最後にでもまとめて発表しようと思いますヾ(๑╹◡╹)ノ"

 

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