※下に現代語訳と解説がありますヾ(๑╹◡╹)ノ"
莫切自根金生木 : 3巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
唐来参和『莫切自根金生木』[天明5(1785)年刊]
※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。
【翻刻】
①
まん/\せん生ハよきついでなりと
江のしまへさんけいし
またかねのいるなぐさミをおもひつき
りやうしどもいちやうのそろひのゆかたを
そめてきせぢびきをさせしニ
あんのほかうミ川へすたれるきん/゛\
うをニましりておびたゝしくあがりしゆへ
こゝろならずもまたかねがふへてこまりける
②
このけしきハ日本だ
しかしなんだかいやミなひかりがさすぜへ
またゑてのものでハねへかうるさへこつた
③
モシあれがかねなら江のしまかねくらとなづけて
くらをたつていれておくがようござります
④
さきからもつとづつつとあびかつせへ
⑤
ヤイ/\こらつかいニばちばらつた
【現代語表記】
①本文
萬々先生は「良き序《つい》でなり」と江の島へ参詣し、また金の要《い》る慰《なぐさ》みを思い付き、漁師どもを一様《いちよう》の揃《そろ》いの浴衣《ゆかた》を染めて着せ、地引きをさせしに、案の外海川へ廃れる金銀、魚《うお》に混じりて夥《おびただ》しく上がりし故《ゆえ》、心ならずもまた金が増えて困りける。
②萬々
「この景色は日本だ。
しかし、何だか嫌味な光が射《さ》すぜえ。
また得手物《えてもの》では無《ね》えか。
煩《うるせ》えこった」
③手代
「もしあれが金なら、江の島 金蔵《かねくら》と名付けて、蔵を建って入れて置くが良う御座ります」
④漁師A
「先からもっとずずっと網引《あび》かっせえ」
⑤漁師B
「やいやい、こらつかいにばちばらった」[?]
【現代語訳】
①本文
萬々先生は「これはいい機会だ」と道中、江の島に寄って参詣し、また金を使う道楽を思い付きました。
漁師たちに、お揃《そろ》いの同じ柄の浴衣《ゆかた》を染めて着せ、地引き網をさせたのです。
ところが、海や川に落ちたりして沈んでいた金銀が、予想外に魚に混じってたくさん上がってきたので、不本意ながらまた金が増えて困ったのでした。
②萬々
「ここの景色は日本一だなあ。
しかし、何だか嫌な光が網の中に射しているなあ。。。
また、例の物[金]じゃないのか、うっとおしいなあ」
③手代
「もし、あれが金なら、江の島 金蔵《かねくら》[鎌倉《かまくら》と掛けた]と名付けて、蔵を建てて入れておくのがよろしいでしょう」
④漁師A
「先の方から、もっと、ずずっと網を引きなされ」
⑤漁師B
「いやいや、何か重い物が掛かって、なかなか引っ張れないんだよ」[この漁師のセリフ、誤脱があるのか意味不明なので、文脈から推測して訳しました]
【解説】
旅行の途中で鎌倉の江の島に寄り、漁師に揃いの浴衣まで作って地引き網をさせ、たくさんお金を使ったのですが、海に沈んでいた金銀が魚と一緒にたくさん上がってきたので、またお金が増えてしまったというヾ(๑╹◡╹)ノ"
次回で中巻が終わるのですが、みなさんは覚えていますか、買い置きしたお米の事をヾ(๑╹◡╹)ノ"
今回は海だから、タコに化けてどこかに隠れてるよヾ(๑╹◡╹)ノ"
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