うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

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⑪井上ひさしが影響を受けた江戸時代の本 ~唐来参和『莫切自根金生木』~

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買い置きしたお米の事お忘れの方は、まずこちらご覧くださいねヾ(๑╹◡╹)ノ"

kihiminhamame.hatenablog.com


※下に現代語訳と解説がありますヾ(๑╹◡╹)ノ"

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莫切自根金生木 : 3巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
唐来参和『莫切自根金生木』[天明5(1785)年刊]

※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。

【原文】

①本文
此の頃、大雨降り続き川/\も支《つか》へければ、暫《しばら》く旅宿《りよしゆく》に逗留の内、此の大荒れニ買い置ゐたる米、一度ニ値が上がつて儲《もう》けたる由《よし》、書状着きける。

②萬々
「是ハまたとんだ事だ。
 上り目が見へたなら、売らず置けばヱゝニ、また俺ニ塞がせる」

③手代
「御尤《ごもつと》もで御座りますれども、先/\から金ニ致して突き付けますから、致し様が御座りませぬ」

④萬々
「拒《こば》ん[小判]だものだ、困つたものだと聞こへるか」

⑤本文
「所詮《しよせん》一通りでハ身代も回るまじ」と、ぐつと知恵を巡らし、
三保の松原の松を掘らせ、江戸までの運賃、彼此《かれこれ》此の入用《いりやう》でハ、よもや金も無くなりそふな物」
と、まず大勢請負人を集め、入れ札をさせる。

⑥萬々
「何でも高ひ方へ落とすから、技量一倍、つがも無く高《たが》く積もりやれ」

⑦請負人
「入れ札の儀で御座りますから、随分《ずいぶん》儲ける様ニ積もりました」

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【現代語訳】

①本文
 この頃、大雨が降り続き、増水して渡れなくなったので、萬々は、しばらく旅館留まりました。
 そんな時、この悪天候で、買い置きしてあった米が一気に値上がりし、儲けてしまったことが書かれた手紙が届いたのでした。

②萬々
「これはまた、とんでもない事だ。
 米の値上がったのなら、そのまま売らずに置いておけばいいのに、またガッカリさせるのか」

③手代
おっしゃることは、ごもっともでございますが、あちこちからが来て、大金無理やり突き付け持って行ってしまうので、どうしようもありません」

④萬々
拒《こば》んだものだ[米を売るのを拒否したいものだ]小判だものだ、、、どうだ、が言うと困ったものだ聞こえるか?」

⑤本文
「しょせん、ちょっとやそっとのことでは、財産を使う事はできまい」
 と、萬々は「う~ん」と知恵を巡らしました。
 そして、

「よし、三保《みほ》の松原を掘らせて、江戸まで持ってこよう。
 運賃とかあれこれかかる費用はとてつもないから、さすがにもなくなるだろう」
と考え、まずはたくさん請負人《うけおいにん》[取り扱い業者]を集め、入札をさせました。

⑥萬々
「とにかく高い値入札した請負人契約するから、思いのまませいいっぱい高く見積もりを出して入札してくだされ」

⑦請負人(取り扱い業者)
我々がたんまり儲けるように高く見積もりをして、入札させていただきます」

【解説】

 右ページ中巻の最後で、左ページ下巻の最初です。

 中巻の最初買い置きした米の件を、中巻の最後回収しています。
 悪天候米の収穫見通し不透明になり、米が値上がりしてしまいました。
 萬々旅行不在中米不足を恐れた人たちが、値上がりした価格買い置きしてあった米を、無理矢理買って行ったので儲けてしまい、また金が増えたというわけです。

 下巻の最初では、どうやら旅行は諦めて帰ってきたようで、今度は三保の松原掘り起こして江戸まで持ってくるという、もう何だか訳の分からない散財を思い付きますが、はてさてどうなることやらヾ(๑╹◡╹)ノ"

 は、ひょっこり頭を出してるから、みんな見つけてね!

 

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