うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

江戸文学の楽しさを皆さんにお伝えできれば♪

当ブログは広告・PR・アフィリエイト等を含みます。

⑭井上ひさしが影響を受けた江戸時代の本 ~唐来参和『莫切自根金生木』~

当ブログは広告・PR・アフィリエイト等を含みます。

 

f:id:KihiminHamame:20210429162451j:plain
※下に現代語訳と解説がありますヾ(๑╹◡╹)ノ"

f:id:KihiminHamame:20210429162510j:plainf:id:KihiminHamame:20210429162518j:plain

f:id:KihiminHamame:20210429162526j:plainf:id:KihiminHamame:20210429162531j:plain
莫切自根金生木 : 3巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
唐来参和『莫切自根金生木』[天明5(1785)年刊]

※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。

【原文】

①本文
 有り丈の金銀、残らず捨て、
「今は心ニ懸《か》くる雲、晴れたり」
 と喜ぶ折から、捨てたる金銀、一塊《ひとかたまり》になりて、空中へ飛び上がれバ、この勢《せい》ニ引かれて、世界中の金銀、一緒[一所?]ニ集まり、萬/\が金蔵指して飛び来るハ、目も当てられぬ次第ににて、家内の者どもを金蔵の屋根へ上げて、金玉《かねだま》[「きん〇ま」じゃないよ!]を防がせる。

②手代A
「金の唸《うな》る声を初めて聴いたが、成程、「ウン/\」と言ふの」

③手代B
「黄金《おうごん》が混じつて来るハ、旦那は黄金《おうごん》まり[大困《おおごま》り]だろう」

③手代C
「無性ニ焼味噌を焼かせるがいい」 

f:id:KihiminHamame:20210429162825j:plainf:id:KihiminHamame:20210429162829j:plain

【現代語訳】

①本文
 萬々は、あるだけの金銀を残らず捨て
「今はにかかっていたも晴れた」
 と喜びました。
 しかし、そんなことを言ってる側から、捨てた金銀ひとかたまりになって、空中飛び上がりました。
 この勢い引っ張られて、世界中の金銀までも一緒に集まって来て、萬々金蔵目指して飛んでくるのでした。
 とても見てはおれないほどの惨状で、萬々家の者たち金蔵の屋根に上げて、金のかたまりがやってくるのを防がせました。

②手代A
金の唸《うな》る声を初めて聴いたが、本当に「うんうん」唸るんだなあ」

③手代B
黄金《おうごん》が仲間を集めてやって来ては、旦那黄金《おうごん》まり、じゃなかった、大困《おおごま》りだろうな」

③手代C
「むやみやたらに焼味噌を焼かせるといいよ[焼味噌はぜいたくな品で、「焼味噌を焼くと金が逃げる」と言われた]

【解説】

 を全て捨てて一件落着と思いきや、捨てた金から飛び上がり世界中の金まで引き寄せて、萬々の金蔵戻って来て、ますます金が増えてしまうという、ギャグマンガのような展開になりましたヾ(๑╹◡╹)ノ"

「金が唸る」というのは、「ありあまるほどたくさんの金を持っている」[「金を積み上げておいたら、重みに耐えかねたのか、金が唸り声を上げた」という中国の故事に由来]という意味慣用句ですが、ここでは実際に「うんうん」という唸り声を上げてやってきます。

 萬々には、もう、これ以上打つ手はなくなったのでしょうか?
 ところでみなさん萬々が最初の方で金を人に貸しまくったことを覚えているでしょうか?
 次回に続くヾ(๑╹◡╹)ノ"

 もうそろそろ隠れるバリエーション無くなって来たけど、頑張って隠れたよ!ヾ(๑╹◡╹)ノ"

 

◆北見花芽のほしい物リストです♪ 5月3日は北見花芽の誕生日♪

f:id:KihiminHamame:20171119223122j:plain 

いただいた商品のレビューはこちら♪   

◆インフォメーション 

井原西鶴の大著、『男色大鑑』一般向け現代語訳「武士編」及び「歌舞伎若衆編」発売中です♪

北見花芽の中の人もちょっと書いてるので興味のある方も無い方も、下のアマゾンリンクから買ってくださると狂喜乱舞します♪
※ 書店で買っても、北見花芽の中の人には直接お金が入らないので何卒。

全訳 男色大鑑〈武士編〉

全訳 男色大鑑〈武士編〉

  • 発売日: 2018/12/17
  • メディア: 単行本
 
全訳 男色大鑑〈歌舞伎若衆編〉

全訳 男色大鑑〈歌舞伎若衆編〉

  • 作者: 染谷智幸,畑中千晶,河合眞澄,佐藤智子,杉本紀子,濵口順一,浜田泰彦,早川由美,松村美奈,あんどうれい,大竹直子,九州男児,こふで,紗久楽さわ
  • 出版社/メーカー: 文学通信
  • 発売日: 2019/10/21
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
 

『男色を描く』合わせてお読みいただけるとより楽しめると思いますよ♪
※ こちらも北見花芽の中の人がちょっと書いていますので。 

男色を描く: 西鶴のBLコミカライズとアジアの〈性〉

男色を描く: 西鶴のBLコミカライズとアジアの〈性〉

  • 発売日: 2017/08/31
  • メディア: 単行本
 

◆北見花芽 こと きひみハマめ のホームページ♪

f:id:KihiminHamame:20171108164138j:plain

◆拍手で応援していただけたら嬉しいです♪
はてなIDをお持ちでない方でも押せますし、コメントもできます)

web拍手 by FC2

◆ランキング参加してます♪ ポチしてね♪

にほんブログ村 歴史ブログ 江戸時代へ
にほんブログ村 


江戸時代ランキング

◆よろしければ はてなブックマーク もお願いします♪ バズりたいです!w