うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

江戸文学の楽しさを皆さんにお伝えできれば♪

⑤化物夜更顔見世【再読】

 

【前回までのあらすじ】

 人間の百物語人間呼び出して驚かせようとした大入道

 しかし、現れた人間化け物の天敵坂田金時を演じる白猿

 大入道自分の子ども二人白猿差し出す代わりに、今日の所は見逃してもらったのでした。

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※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。
化物夜更顔見世 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション (7ページ目です)
※画像は拡大できます。

【原文】

お六とちよろけん小僧を白猿は我が家へ連れ来たり、鼠《ねずミ》を飼つておくやうに大事にしておく。

白猿が回しに物食いの与四良と言ゝし色男、時/゛\お六にいちやつきければ、お六ハ持ち前の我が首丈《くびたけ》に惚《ほ》れていれども、化け物ゝことなれば、言ゝかねていたりしが、弟《おとゝ》のちよろけん、姉の恋路を取り持ちける。

「わたしやお前に打ち込んで、お前のためならこの首を、手拭ひになど、帯になど、褌《ふんどし》になど着る心」

「それは誠かお六殿。も一つ足したら八百屋の娘」

「畜生《ちくセう》め/\。いよ、化け物め/\」

此所《このところ》三立目《みたてめ》 浄留理《ゼうるり》
「これ待つた、いかに私がろく/\で、ろくな女でなひとても、女と生まれたセうがにハ、好かん男に惚れらりよものか、ふつと見初めしその日より、窶《やつ》れハ細きこの首の、お前に伸びて伸ばしたら、その心根が不憫《ふびん》とか尿瓶《しびん》とか言わしやんしたが嬉しさに、それ聞いてからこの耳を下へ置くさえ勿体《もつたい》無く、空へ伸ばしてお日様やお月様じやと、朝夕に拝んでばつかりゐるものを、それにお前の胴慾《どふよく》と、くる/\裾《すそ》へ巻き付いて、なんじやいなァ、という身なり」

【現代語訳】

 お六[ろくろ首、姉]ちょろけん小僧[大頭小僧、弟]白猿自分の家に連れて帰り、ネズミでも飼うように大切に養いましました。

 白猿の付き人に、女たらしの与四郎《よしろう》という色男がいました。
 与四郎はちょこちょこお六いちゃついたりするので、お六長い首を持つだけあって、すっかり与四郎首ったけ[心を奪われて夢中になること]惚れてしまいました。
 でも、お六自分化け物なのを気にして、そのことを打ち明けられないでいましたが、弟のちょろけん小僧姉の恋の仲立ちをしたのでした。

お六わたしゃあんた惚れ込んだから、あんたのためならこの首を、手拭いにでもにでもフンドシにでも何にでも使ってくれていいのよ!」

与四郎「それは本当ですか、お六さんを足したら八百屋の娘になりますなあ」

観客畜生《ちくしょう》め、畜生め! いよ、化け物め、化け物め!」

◆本日の浄瑠璃、三本目の演目

お六「待ってくだされ、いかにろくろく[「ろくろく」は、役に立たない事。「ろくろ首」とかけた]で、ろくな女でないと言っても、生まれたからには、嫌いな男惚れるものですか。

 ふと、あんた見初めたその日から、やつれて細くなったこの首を、あんたにどんどん伸ばしたら、あんたは「その気持ち不憫《ふびん》[カワイイ]」だとか「尿瓶《しびん》」だとか何とか言ってくれたから嬉しくて、それを聞いたこの耳に向けるのさえもったいなくて、伸ばしお日様お月様朝晩拝んでばかりいました。

 だけど、あんた態度つれないので、こうしてくるくる巻きついて「どうしてでございますか」と言って恋焦がれる身なのでございます」

【解説】

 ここでろくろ首「お六」大頭小僧「ちょろけん小僧」というであることがわかります。

 女のろくろ首名前「お六」というのは定番だったようで、この作品だけでなく、この時期ほかの作者の作品でも頻繁《ひんぱん》に見られます。

 ただ、大頭小僧及び類似の妖怪「ちょろけん小僧」呼ばれるのはほとんど見られません

 関西には「ちょろけん」という大道芸がありました。
kihiminhamame.hatenablog.com

 妖怪ちょろけん小僧と、大道芸ちょろけん共通するのは、どちらも大きな頭だというです。

 大道芸「ちょろけん」関西のものですが、この作品出版地舞台江戸です。

 江戸でも同様「ちょろけん」という大道芸があったのか、関西の大道芸「ちょろけん」江戸でも有名だったのか、元々「ちょろけん」「大きな頭」に対して使われる言葉だったのか???

 姉弟の妖怪白猿大切にされたようですが、「ネズミを飼っておくよう大事にしておく」って、ペット扱いですか!ヾ(๑╹◡╹)ノ"

「それは誠かお六殿。も一つ足したら八百屋の娘」という与四郎のセリフ「八百屋の娘」八百屋お七のことで、「お六」を足したら「お七」になるというダジャレですヾ(๑╹◡╹)ノ"

 浄瑠璃《じょうるり》のセリフ風お六与四郎への思いを述べます。

 芝居仕立てなので、観客「畜生め、畜生め! いよ、化け物め、化け物め!」という掛け声が入っているわけです。

「畜生」だのなんだの、人間にとっては悪口ですが、化け物にとっては誉め言葉です(笑)

 さあ、一転して、まさかのラブストーリーが始まりました!ヾ(๑╹◡╹)ノ"

 二人の愛の行方は? 次回続く

【三つ目からの挑戦状~くずし字クイズ(前回の答え)】

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 お六自分の体の特徴生かしラブアピールだけど、フンドシになってもらっても困るよねえヾ(๑╹◡╹)ノ"

【三つ目からの挑戦状~くずし字クイズ(正解は次回)】

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ヒント
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